リウマチを治す食べ物・控えた方が良い食べ物まとめ

2023年10月5日

免疫異常によって関節痛や腫れが起こる「関節リウマチ」は、女性や中年〜高齢者が発症しやすい病気で、薬物療法や手術で寛解できるとされていますが、完全に治すためには食べ物を意識しましょう。
残念ながら、現段階で食べ物を変えるだけで関節リウマチを治すことができるとは証明されていません。

ただし、薬物療養や手術などの補助療法として食べ物の管理を取り入れることで関節リウマチを治すための効果が期待できます。

この記事では、関節リウマチの原因から、症状を緩和するための食べ物、飲み物を紹介していきます。
関節リウマチになってしまって、これから症状を軽減したい、病気を治していきたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

リウマチ発症の原因

関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)は、本来、体を守るために働くべき免疫力が、自分自身を攻撃してしまう病気で、「関節の痛み」「関節の腫れ」「朝の強張り」などが初期症状として挙げられます。

東京女子医科大学によると、日本国内での関節リウマチの患者数は、70万〜80万人と推定され、男女比は1:4と女性に多く、仕事で忙しくなる30〜50歳が関節リウマチ発症のピークとも考えられています。

リウマチの原因について

現段階で関節リウマチの原因は、医学的に明確な解明はされていないのですが、いくつかの原因が推測されています。

免疫低下	本来は体の中に細菌やウイルスが入ってこないように守る免疫の働きに異常が出て、体内の組織を自ら攻撃することから、炎症や痛みが起こり、関節リウマチになる可能性があります。
体質	免疫異常を生じやすい体質が原因で関節リウマチになる可能性があります。（強い遺伝性はないとされているものの、出産・喫煙・歯周病などの環境的要因あり）
サイトカイン	体内の炎症を悪化させるとされるサイトカインが過剰分泌させると、関節リウマチになる可能性があります。
30〜50歳の女性	仕事・家事・育児で多忙の年代の女性は、病院に行く機会を逃してしまい、関節リウマチになる可能性があります。

遺伝性について

関節リウマチの遺伝性については、基礎研究が進む中で、遺伝的な要因があることが分かっています。

スウェーデンの研究グループの発表によると、遺伝的な関節リウマチの発症リスクを以下のように報告しました。

親が関節リウマチを発症した場合、子供が関節リウマチを発症する可能性	3.02倍
兄弟姉妹が関節リウマチを発症した場合、他の兄弟姉妹が関節リウマチを発症する可能性	4.64倍
親と兄弟姉妹が関節リウマチを発症した場合、他の子供と兄弟姉妹が関節リウマチを発症する可能性	9.31倍

上記の結果から分かるように、遺伝的な関節リウマチの発症は確かです。

さらに、遺伝子が完全一致する一卵性双生児の関節リウマチの発症確率は、20%前後と言われています。

全人口の関節リウマチ発症率が0.5%であることを踏まえると、一卵性双生児の発症率が40倍も多い計算になり、遺伝的な背景が窺えます。

ただ、遺伝的に必ずしも関節リウマチになりやすいというわけではなく、環境要因（喫煙・出産など）が多くの部分を占めていることを把握しておきましょう。

向かない仕事と工夫すべき点

関節リウマチになった場合、治療は長期に渡るため、軽症であれば仕事と治療の両立が可能ですが、体への負担は最小限にすることを推奨されています。

関節リウマチでやってはいけない仕事としては、「長時間の立ち仕事」です。

関節リウマチは、軟骨・骨・関節の腫れや痛みが症状としてあるため、長時間経ち続ける仕事は、さらに症状を悪化させてしまいます。

フルタイムで接客業やデスクワークをしている人は、一定時間ごとに姿勢を変えたり、足を多く動かしたりして負担を減らす工夫をしてください。

また、症状の出ている部位を冷やしてしまうと痛みが増したり、関節が固まってしまうので、冬など気温が低い場所では、部位を温めることを心がけてください。

症状を治すために、してはいけない10項目とは？

関節リウマチになった場合、日常生活にも障害が生じるため、やってはいけないことなどの項目があります。

高さのある枕で寝ること
膝を曲げて寝ること
正座をすること
和式トイレを利用すること
床などの立ち座りをすること
長距離を歩くこと
ヒールなど踵の高い靴を履くこと
重い荷物を持つこと
雑巾などを強く絞ること
ひねるタイプの蛇口を捻ること

日常生活では必要不可欠なこともあるかと思いますが、できるだけ関節リウマチの症状を軽減させるためには、意識的に関節に負担をかける動きは避けましょう。

リウマチを治すために良い食べ物・飲み物

関節リウマチを治すために食べ物を選別することは大切です。

特定の食べ物はないのですが、2014年にArthritis Rheumatologyが発表した論文に関節リウマチの予防・寛解の食べ物について記述されています。

未然に防ぐ食べ物・飲み物

関節リウマチは、免疫機能に異常が生じることによって発症する病気のため、免疫機能を強く保つことが大切で、食生活を整えることで、十分に予防ができます。

魚
オリーブオイル
果実ビタミンC
緑黄色野菜

上記の食べ物を頻繁に摂取している人は、関節リウマチの発症がしにくいとされていて、予防にぴったりの食材です。

同じタンパク質でも、肉・卵・乳製品・大豆製品よりも魚、特に青魚が良いと言われています。

「いわし」「さんま」「さば」などの青魚には、ω不飽和脂肪酸（EPAやDHA等）が多く含まれていて、関節リウマチの原因となる異常な免疫反応を抑える効果が期待できるのです。

また、緑黄色野菜には、抗酸化作用を含んでいるため、青魚同様に、関節リウマチの原因となる異常な免疫反応を抑える効果が期待できます。

少量であれば、アルコール飲料が関節リウマチ発症の防止因子になるとも報告されています。

症状を治すために効果的な食べ物・飲み物

関節リウマチを発症した場合、薬剤療法や手術など早期治療をすることで寛解・完治を見込める病気ですが、食べ物だけで治す方法については、医学的な根拠のある発表は少ないです。

逆説的な話にはなってしまうのですが、関節リウマチの増悪因子として、以下の食べ物の過剰摂取が関係していると報告されています。

穀類
脂肪食
肉類
乳製品

上記の食べ物を全く摂らなければ関節リウマチの症状を軽減させることができるというわけではないので、適度に食べる分には問題ありません。

一方で、抗酸化作用・抗炎症作用のあるEPAやDHA等のω不飽和脂肪酸が含まれている魚類を積極的に摂取することで、関節リウマチの改善に効果が見られたという研究結果を散見できます。

ただし、関節リウマチの症状が出てしまった場合、「食事療法」は医学的に治療法として確立されているわけではないので、「薬剤療法」や「手術」などを行いながら、補助療法として検討しましょう。

健康体を維持するために必要な栄養素と食べ物

関節リウマチを発症した場合、早期治療が必要ですが、同時に日常生活で摂る食べ物を見直すことで、健康体を維持することを期待できます。

タンパク質	牛乳、卵、肉、魚、納豆、じゃがいも、パンなど
食物繊維	玄米、おから、牛蒡、ブロッコリー、菜の花、オクラ、エリンギ、榎木、アボカド、ひじきなど
炭水化物	米、パン、さつまいも、じゃがいもなど
脂質	オリーブオイルなど
ミネラル	納豆、海藻、牛乳、魚介類など

5つの栄養素の含んだ食べ物をバランス良く摂取することで、健康的な体づくりをすることができ、結果として関節リウマチの症状軽減につながります。

さらに、食事管理に余裕ができた人は、「鉄分」「カルシウム」を含んだ食べ物を積極的に摂るようにすることで、関節リウマチの予防や改善ができます。

関節リウマチ治療のために受診する医療機関で、「栄養指導」を専門家から受けることが可能なので、疑問などがあれば質問して、アドバイスをもらってみてください。