内側側副靭帯損傷の治療内容・完治までの期間はどれくらい?

内側側副靭帯損傷

本記事にはプロモーションが含まれている場合があります

スポーツにおけるケガとして多い「内側側副靱帯の損傷」。

軽度なものであれば1週間程度で完治しますが、重度なものはスポーツ復帰までに、3〜4ヶ月かかることも…。

症状によっては、捻挫と間違えられることがある内側側副靱帯損傷ですが、放っておくとさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。

そのため、内側側副靱帯損傷について理解し、正しい方法での治療が重要です。

本記事では、内側側副靱帯損傷の症状や原因、治療法、完治までの期間について解説していきます。

また、再発しにくい身体作りの方法も紹介しています。

目次

内側側副靭帯とは

内側側副靱帯は、ひざにある主要な靭帯のうちの1つです。

ひざには、内側・外側・前・後ろと合計で4つの靭帯があります。

ひざの内側に位置する内側側副靱帯は、太ももの骨である「大腿骨(たいだいこつ)」とすねにある太い骨の「脛骨(けいこつ)」を繋いでいます。

ひざの外側からかかるストレスへ抵抗し、ひざ内側の安定性を保つのが、内側側副靱帯の役割です。

内側側副靭帯損傷の症状

内側側副靱帯の損傷は、外側からのひざへの衝撃やひねりなどで、靭帯が損傷することにより起こるケガです。

内側側副靱帯損傷の主な症状を、以下にまとめました。

症状
痛み 大きな靭帯のため、ひざの内側に強い痛みがあります。また圧迫したり、屈伸したりする際にも、ひざの内側が痛みます。
腫れ ひざの内側に腫れが生じます。まれに、ひざの他の部位が腫れる場合もあります。
不安定感 ひざの関節に不安定感が現れます。ひざの内側にある安定装置が機能しないため、横方向から負荷がかかった場合、グラグラしてしまいます。
可動域の減少 ひざが固くなり、可動域が減少します。そのため、ひざの曲げ伸ばしがしにくくなり、階段が上れない・椅子に座れないなど日常生活に支障をきたすことも…。

また、症状による重症度の違いをレベル分けしたので、以下も参考にしてください。

症状による重症度の違い

内側側副靱帯損傷は、MRI検査や医師による靭帯ストレステストなどで、重症度を3段階のレベルで分けられます。

靭帯ストレステストとは、ひざにどの程度痛みや不安定感があるかを、医師の目や手を使って直接検査する方法です。

具体的な症状によるレベル分けを、以下にまとめました。

症状
Ⅰ度(軽度) 症状は痛みのみで、靭帯ストレステストによる検査でも不安定感は見られない状態。
Ⅱ度(中度) 屈伸がしづらく、靭帯ストレステストによる検査で、少し不安定感が見られる状態。
Ⅲ度(重度) 屈伸や歩行が困難で、靭帯ストレステストによる検査でも、かなり不安定感が見られる状態。

Ⅲ度の場合は、他の靭帯の損傷や半月板損傷など、合併症を引き起こしている可能性があります。

放っておくと日常生活に支障をきたすため、早めの診察と正しい治療を受けましょう。

内側側副靭帯損傷の原因

内側側副靱帯損傷は、ひざの外側から強い衝撃を受けたり膝を強くひねったりした際に、靭帯が切れてしまうことが原因で起こります。

靭帯は伸縮することでひざを守っていますが、強い衝撃やひねりで負荷がかかった場合には、伸び切って断裂や損傷してしまいます。

内側側副靱帯損傷は、以下のようなシーンで起こりやすいケガです。

  • スポーツ
  • 交通事故

ラグビーや柔道のような他の競技者との接触が多いものや、サッカーやテニスのような急な方向転換の動作があるスポーツでよく見られます。

具体的には、下半身へのタックルや、足技を受けた時、急な方向転換でひざを強くひねった時に、起きることが多いです。

また、内側側副靱帯損傷は交通事故で起こることもあります。

車との接触時や、バイクでの転倒時に大きな衝撃を受けるため、靭帯を損傷しやすいといわれています。

治療方法

内側側副靭帯損傷の治療法は、主に保存療法と手術療法です。

保存療法では、テーピングやサポーターでひざを固定し、可動域訓練や歩行練習や筋力訓練を行います。

保存療法だけでは完治しない場合には、手術療法で治療していきます。

手術療法を行うときは、他の靭帯も損傷している・半月板損傷など合併症を引き起こしている場合です。

内側側副靭帯損傷の重症度によって、治療の進め方や完治までの期間が異なります。

その違いを、以下にまとめました。

治療方法 完治までの期間
Ⅰ度(軽度) テーピングやサポーターでひざを固定し、痛みがなくなれば、可動域訓練・筋力訓練を経てスポーツ復帰が可能。 1週間程度
Ⅱ度(中度) 最初の1〜2週間程度を固定。その後低周波を流しリハビリを行い、可動域訓練・筋力訓練を経てスポーツ復帰が可能。 6週間程度
Ⅲ度(重度) 他の靭帯も損傷・半月板損傷の場合は手術。その後は、Ⅰ度・Ⅱ度同様、ひざを固定し、リハビリを行う。可動域・筋力が通常通りに戻ればスポーツ復帰が可能。 3〜4ヶ月程度

内側側副靭帯損傷の治療時に行われるリハビリについて、以下で紹介していきます。

リハビリと再発予防について

内側側副靭帯損傷の治療には、ひざの可動域を改善させるためや、筋力維持のためのリハビリが行われます。

リハビリは、日常生活やスポーツへの復帰に重要です。

また、内側側副靭帯損傷はよく起こるケガ故に再発リスクも高いといわれています。

ここでは、内側側副靭帯損傷の治療で行われるリハビリや再発防止の取り組みについて解説します。

内側側副靭帯損傷のリハビリ内容

内側側副靭帯損傷治療のリハビリは、「サポーターによる固定期間中」「サポーター取り外し後」で内容が変わってきます。

固定期間中は、患部以外のトレーニングを行います。下半身を中心とした以下のようなメニューです。

  • SLR
  • 内転筋トレーニング

前ももを鍛えるSLRや、内ももを鍛えるトレーニングで、固定期間の下半身の筋力低下を防ぎます。

サポーターによる固定が外れた後は、「可動域の回復」「ひざ周りの筋力アップ」を目的にリハビリを行います。

可動域の回復を目的としたリハビリは、主にストレッチです。

前ももを伸ばす・すねやふくらはぎを伸ばすストレッチは、ひざの曲げ伸ばしも兼ねているため、可動域を回復させるのに効果的です。

また、股関節や足関節のストレッチも並行で行うことで、ひざ関節にかかる負荷を和らげられます。

ひざ周りの筋力アップを目的としたトレーニングは、主に以下のようなメニューです。

  • ヒップアップ
  • スクワット
  • 片脚スクワット
  • スクワットジャンプ

まずは、ヒップアップやスクワットを無理のない範囲で行います。

ひざの痛みがなくなってきたら、さらに負荷を高めて、片脚スクワットやスクワットジャンプで、本格的な筋力アップのトレーニングに移行していきます。

再発防止への取り組み

内側側副靭帯損傷の再発防止には、整骨院でのメンテナンスが有効的です。

整骨院では、再発防止のためのトレーニングや自宅でのケア方法をレクチャーしてくれます。

また、定期的に通うことで、どの程度ひざに負担がかかっているかのような自分の身体の状況を把握できます。

日常的なケアで、内側側副靭帯損傷だけではなく、ケガをしにくい取り組みをしていきましょう。

正しい治療法と整骨院での再発防止が大切

内側側副靭帯損傷は、重症度に合わせた正しい治療法が大切です。

サポーターによる固定、可動域改善や筋力アップなどのリハビリを通して、いつもどおりの日常生活やスポーツ復帰を目指しましょう。

また、自分の体の状況把握や再発防止には、整骨院での定期的なメンテナンスもおすすめです。

日頃のケアに整骨院を活用して、根本的にケガの少ない身体作りをしてみてください。

この記事は執筆された時点での情報を元に記載されております。文書・写真・イラスト・リンク等の情報については、慎重に管理しておりますが、閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。 記載内容や権利(写真・イラスト)に関するお問合せ等はこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次