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睡眠と健康の関係は?脳機能やメンタルヘルスにも影響が

睡眠は大事と言われているけれど具体的にどう重要か知っていますか?
睡眠は健康と深く関係があり、睡眠が身体に与える影響はさまざま。さらに身体的な健康だけでなく、精神的な健康、さらに経済的・社会的影響すらあると言われています。
この記事では睡眠と健康、睡眠の質が私たちの身体や生活に与える影響についてまとめました。
最近ぐっすり眠れていない方、お子さんの睡眠不足が気になる親御さんにも睡眠を見直すきっかけにしてほしいと思います。
睡眠と身体的健康の関係

『睡眠や睡眠の質が大切』と言われているのは、睡眠が私たちの身体的な健康に深く関わっているからです。
具体的にどのような関係があるのか睡眠と健康の関係についてみてみましょう。
生活習慣病の発症リスクとの関連
日本の死亡原因の50% は悪性新生物(がん)・心疾患・脳血管疾患が占めています。がん、心疾患、脳血管疾患は食事、運動、睡眠、喫煙、飲酒などの生活習慣と深く関わりがあるのでまとめて生活習慣病とも呼ばれています。
厚生労働省によると、睡眠不足や睡眠に関する問題が慢性化すると生活習慣病の発症リスクの上昇や症状の悪化を招くなど私たちの健康面に影響を与えると言われています。
睡眠問題の慢性化と健康問題の関連
- 糖尿病の発症リスクの増加
- 高血圧による血圧上昇と心血管疾患のリスク向上
- 心疾患や脳血管障害の発症リスク上昇
- 代謝機能の低下により肥満リスクの増加
- 慢性的な睡眠不足は死亡率の上昇と関連
睡眠と免疫力の関係
私たちには体内にウイルスや病原体などの異物が侵入した場合に、それらを攻撃したり排除しようとする働きが備わっていて、この働きを『自然免疫』と言います。
自然免疫を担うのがマクロファージ。マクロファージは体内のあらゆる部分に存在し、侵入したウイルスや病原菌がないかパトロールしつつ、侵入した場合は排除します。
ほかにもマクロファージは他の免疫細胞に異物の情報を伝達したり、異物排除のための抗体を作るよう指令を出すなど重要な働きをしています。
「自然免疫」のおかげで私たちは病気を防いだり、回復力を高めることができていますが睡眠不足などの睡眠問題により自然免疫の働きは衰えてしまうと言われています。
自然免疫応用技研株式会社の研究によると、平均的な睡眠時間が7時間未満だと睡眠時間が8時間以上の人に比べて約3倍も風邪の発症率が上がるというデータがあり、睡眠時間が短いことや睡眠の質の低下が免疫力に影響を与えることが分かっています。
睡眠と免疫力の関係
- 睡眠中に免疫細胞が活性化し体の修復が行われる
- 睡眠不足により体内で炎症を起こす異物が増加
- 成長ホルモンの分泌不足により細胞修復機能が低下
睡眠と認知・脳機能の関係

睡眠は単純に体の疲れを取ったり、免疫力を高めたりするだけのものではありません。実は睡眠中には『脳の掃除』も行われているといいます。
脳の掃除とは具体的には脳細胞の間に溜まった有害なタンパク質や老廃物の除去が行われます。これらの有害物質はアルツハイマー病にも関連がある物質で現在も研究が行われています。
私たちは寝ている間に脳の有害物質や老廃物を流して脳の機能維持を行なっています。脳が使えるエネルギーには限度がありキャパオーバーのままでは脳機能を十分に使うことができません。
脳の有害物質、老廃物の洗い流しは睡眠中にのみ行われるので睡眠が脳に与える影響も大きいことがわかります。
長期的な睡眠不足は脳の萎縮とも関連があり、注意力の低下や認知機能の低下を招くことが研究で明らかになってきています。
睡眠が脳機能に与える影響
- 睡眠中に脳の有害物質や老廃物の除去が行われる
- 睡眠中に記憶の整理・定着が行われる
- 睡眠不足により記憶を司る海馬が萎縮するリスク
- 持続的注意力や作業記憶に悪影響
- 睡眠の質低下は認知症発症リスクと関連
睡眠とメンタルヘルスの関係

睡眠は健康や脳機能のほかにメンタルヘルスに与える影響もあると言われています。
例えば睡眠不足がうつ病の発症リスクを高める予測因子になり得るリスクがあると東京大学の研究論文に記載されています。
睡眠不足だけでなく多すぎる睡眠時間や睡眠の質の低下も精神的な健康に影響を与える可能性があり、睡眠障害がある人はない人に比べてメンタルヘルスの不調を招くリスクが高いと言えます。
精神的健康への影響
- 睡眠不足はうつ病の発症リスクを高める予測因子に
- 睡眠の問題がうつ病を引き起こし、うつ病がさらに睡眠を悪化させる
- 脳の感情コントロール機能が低下し、些細なことでも怒りやすくなる
- ストレスに対抗するホルモン分泌が不十分になり、ストレスに弱くなる
睡眠の質と経済社会的な影響

睡眠の影響は身体・精神的な不調だけにとどまらず、労働生産性へも波及していることが研究で分かってきています。
よく睡眠の質の悪化は仕事のパフォーマンスに影響を与えると言いますよね。BRAIN SLEEPの2024年の調査によると睡眠の質に課題がある人は年間で165万円の経済損失額となり、睡眠の質に課題のない人と比べると損失額は76万円も多いというデータが。
経済的な損失だけでなく、労働災害などのリスク増加にも繋がると言われています。
教育の現場では生徒の学習能力の低下や業績への悪影響など、我が子の睡眠についても見直す必要がありそうです。
労働生産性への影響
- 個人レベルでは睡眠の質に課題がない人の経済損失額は年間89万円、要改善の人では年間165万円と76万円の差
- 国家レベルでは睡眠不足による日本の経済損失は約15-20兆円(GDP比約3%)
- 7割の人が睡眠が生産性に影響を与えていると実感
- 眠気や疲労が原因の事故・怪我のリスクが増加
睡眠と年代別の影響

OECDの調査では、日本人の睡眠時間は7時間22分で先進国33カ国中最下位の結果に。平均睡眠時間の8時間28分より1時間短く、日本人の睡眠時間は世界最低レベルと言われています。
睡眠は健康、脳機能、メンタルヘルス、経済社会にも関わる問題で老若男女問わず意識したいですね。
成長期への影響
- 成長ホルモン分泌への影響
- 記憶の定着と学習効率の大幅低下など学習能力への影響
- 感情調整能力の発達への悪影響
働き盛り世代への影響
- 日本人男性の30-50歳代、女性の40-50歳代で4割以上が睡眠時間6時間未満
- キャリア形成期における判断力・創造性への悪影響
- 管理職としてのリーダーシップ能力への影響
高齢者への影響
- 必要睡眠時間の自然な減少(65歳で約6時間)
- 早寝早起きの傾向(朝型化)
- 認知症予防における睡眠の重要性
睡眠は単なる休息ではなく、人生の質そのものを決定する大切な要素として一人ひとりが大切にしていく必要がありそうです。
