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年代別骨密度の平均値・骨粗しょう症と診断される数値は?
「転んだだけなのに骨折した」「骨に痛みを感じるような気がする」
このような体の変化があると、どうしても不安に感じますよね。
骨密度は年齢を重ねると低くなりやすく、骨折しやすくなります。骨はすぐに入れ替わらないため、骨を丈夫にするケアは継続が大切です。
この記事では、年代別の骨密度の平均値や骨粗しょう症と診断される目安をお伝えします。また骨密度を高めるケア方法もご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
骨密度とは?
骨密度は骨の強さを判定するための代表的な指標です。骨密度検査では、骨の中にカルシウムなどのミネラルがどの程度あるかを測定しています。
骨密度は、思春期にいちじるしく増加し、20歳ごろに最大になり、40歳を超えると骨密度は急激に低下します。
ひどい場合には「ス」が入ったように骨がスカスカになってしまうのです。これが骨粗しょう症です。
健康的な人に比べて、骨折のリスクが増大してしまいます。
年齢とともに増加する骨粗しょう症
骨密度は女性の場合、18歳くらいでピークに達します。そのまま40歳代半ばまでは、ほぼ一定を維持しますが、50歳前後から低下していきます。
60歳ごろから骨粗しょう症が急増し、80歳以上の女性では約7割が骨粗しょう症だといわれています。
加齢により骨密度が低下しやすくなってしまうのは、以下の要素が原因です。
- 女性ホルモンの分泌量が減少すること
- 腸管でのカルシウム吸収が悪くなること
- カルシウムの吸収を助けるビタミンDをつくる働きが弱くなること
若いころよりも、食事や運動量が減るといった生活習慣も関係しています。
加齢とともに生じる生理的な変化はある程度やむ負えないことかもしれませんが、若いころから食事や運動に気を配ることで骨密度の減少を抑えることができます。
骨の役割
骨は強固な体を作り上げるとともに、内臓を保護する役割があります。血液を作り出す骨髄組織も存在し、体内のカルシウムの貯蔵庫としての役割も担っています。
骨は絶えず吸収と形成を繰り返し、成人では3〜5年で全身の骨が入れ替わるといわれています。これが骨の新陳代謝です。
骨の吸収が骨の形成を上回ると、骨がスカスカして次第に弱くなります。
骨量が下がる主な原因
骨がもろくなってしまう原因には、以下のようなものがあげられます。
- 運動不足
- カルシウム・ビタミンD不足
- 無理なダイエット
- 朝食を抜く習慣
- インスタント食品の食べすぎ
- 塩分の摂りすぎ
- 禁煙
- アルコールの過剰摂取
生活習慣の他にも、病気や服用している薬が原因となって発症する骨粗しょう症もあります。
原因となる代表的な病気は、副甲状腺機能亢進症(ふくこうじょうせんきのうこうしんしょう)などの内分泌疾患、関節リウマチなどです。
また、糖尿病をはじめとする生活習慣でも骨粗しょう症の頻度が高いといわれています。
骨密度と骨質のバランスが大切
骨の強さは骨密度だけではなく、骨の性質を示す「骨質」も大切です。
骨の強さは「骨密度が7に対し骨質が3」が目安とされています。
同じ骨密度でも、骨折する人としない人に分かれるのは骨質が関係しているからです。
骨の質が悪いと骨は弱くなり、骨密度が減っていなくても骨折する危険が高まります。同じ骨密度でも、老化にともないしなやかさが失われてしまうのです。
骨強度は、骨量の指標となる「骨密度」と骨の構造など「骨質」の2つの要因によって決まります。
年代別骨密度の平均値
国立長寿医療研究センターの骨密度検査によると、40〜80歳の男女別骨密度の平均は以下の通りです。
年齢 | 40~49 | 50~59 | 60~69 | 70~79 | 80以上 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 1.127 | 1.110 | 1.103 | 1.092 | 1.048 | 1.096 |
女性 | 1.098 | 1.011 | 0.933 | 0.893 | 0.854 | 0.957 |
平均 | 1.113 | 1.061 | 1.021 | 0.995 | 0.947 | 1.027 |
表のように、年齢を重ねると骨密度が低くなり、骨粗しょう症のリスクが高まります。
骨粗しょう症は生涯を通して予防に取り組む病気です。
骨密度の理想値は?
骨密度を検査すると、検査結果に「BMD」と表記され、数字が書かれています。BMDは骨密度のことです。
1㎠あたりにあるカルシウムの重さを「g」で表しています。
この値が大きいほど、骨が強いということです。
ただ、数値を見ても骨密度が高いのか低いのか分からないでしょう。
そこでチェックすべきなのは、「YAM」値です。
YAMはYoung Adult Mean の頭文字をとったもので、「若年成人平均値」といいます。
YAM値は20〜44歳の健康的な人の骨密度を100%として、現在自分の骨密度が何%であるかを比較した数値です。
平均値に対して80%以上であれば、正常な骨密度なので安心です。
骨密度がいくつを切ると骨粗しょう症?
日本骨粗鬆症学会によると、どのような年代・性別の方でも20〜40歳の平均骨密度の70%以下になれば骨粗しょう症とされています。
この数値になると、骨折しやすくなるからです。
正常 | 80%以上 |
骨量減少 | 70~80% |
骨粗しょう症 | 70%以下 |
骨密度検査はいつ受けるべき?
女性は50歳前後で骨量が低下しはじめます。そのため、閉経後は1年に1回程度の測定はおこないましょう。
骨量が多い20〜40代のうちに一度測定をしておくと、老年期の測定に役立つためおすすめです。
男性であれば、糖尿病や慢性腎臓病など骨粗しょう症の原因となる障害がなければ、70代後半までは測定の必要はありません。
骨密度を高めるには
骨密度を高めるためには、バランスの摂れた食生活と適度な運動が大切です。
食生活の改善
1日3回の規則正しく、バランスのとれた食事をとりましょう。欠食すると、必要なエネルギーおよび栄養素が不足する可能性が高くなります。
バランスのとれた食事とは以下の食事のことです。
- 主食(ごはん・パン・麺)
- 副菜(野菜・きのこ・いも・海藻料理)
- 主菜(肉・魚・卵・大豆料理)
特に、カルシウムの摂取量を増やす工夫として、小松菜などの緑黄色野菜、ひじきなどの海藻、豆腐などの大豆製品を積極的に取り入れましょう。
牛乳や乳製品も、カルシウムの供給源として含有量と吸収率どちらもすぐれているのでおすすめです。
1日の摂取目安は、成人であれば、牛乳1杯、ヨーグルト1パックが目安です。
衝撃をあたえる運動
骨は衝撃を与えることで作られるため、運動は骨密度を高めるためにも欠かせません。物理的な刺激が加わると、微量の電流が骨に伝わり強さが増すといわれているのです。
反対に負荷をかけないと骨は弱くなる性質です。そのため、負荷のかかりにくい宇宙飛行士や水泳選手などは骨密度が低くなる傾向が見られるといわれます。
骨を守るために効果的な衝撃や負荷の大きい運動は以下の通りです。
- ジャンプ
- バレーボール
- バスケットボール
- 縄跳び
- ジョギング
上記はヒザに負担がかかる可能性があるので、運動不足の方は以下の運動からスタートしてみましょう。
- 背筋運動
- 片脚立ち
- スクワット
- ウォーキング
「骨貯金」は使わないようにする
食事や運動は継続が大切です。体は食事から摂取したカルシウムが足りないと、体に蓄えているカルシウムを借りてきて補おうとする性質があります。
借りてくる骨は、腰椎(ようつい)や頸椎(けいつい)、大腿骨(だいたいこつ)といった大きい骨からです。年を重ねたときに骨が曲がったり、骨折しやすい箇所です。
糖分の摂りすぎや、日常のストレスも体内で多くのカルシウムを消費する一因です。継続的に骨密度をあげる生活を意識し、定期的なリフレッシュも忘れないようにしましょう。
バランスよい食事と負荷のかかる運動で丈夫な骨づくり
骨密度を高めるには、バランスのよい食事と少し骨に負荷のかかる運動の継続が大切。
骨が入れ替わるまで数年かかるため、骨のケアは早めにはじめ、継続することが何より大切なのです。
ポイントは食事ではカルシウムの摂取量を増やし、運動では少し負荷のかかったトレーニングをすることです。
健康的な体を維持するためにも、今から丈夫な骨づくりをはじめましょう。