本記事にはプロモーションが含まれている場合があります
坐骨神経痛の症状・原因・治療法について
なぜか分からないけど、「おしりが痛い」「足がしびれやすい」とお悩みですか?
その症状、坐骨(ざこつ)神経痛かもしれません。
安静にしたりマッサージしたりするものの一向に解消されないという方も、ご安心を。
坐骨神経痛はしっかりと原因を見つけて治療すれば、改善する可能性があります。
坐骨神経痛の症状や原因、治療方法を知り、お悩みを解消しましょう。
坐骨神経痛とは?
坐骨神経痛は、おしりにある「坐骨神経」と呼ばれる大きい神経が圧迫されることで発生します。
「おしりが痛い」「太ももの後ろが痛い」「おしりからふくらはぎにかけてビリビリしびれる」といった症状を引き起こします。
また、重篤な場合は排尿・排便障害といった症状が現れ、手術をしなければならないことも。
ここでは坐骨神経の解剖学的な知識をまじえて、なぜ坐骨神経痛が発生するのか学んでいきましょう。
坐骨神経はどこにあるの?
坐骨神経は体の中で最も幅広く長い末梢神経(*1)です。
(*1)末梢神経:脳と脊髄からなる中枢神経と、体の各部を結ぶ伝導路。
背骨(脊椎-せきつい-)の後ろにある脊柱管(せきちゅうかん)の中を通っている脊髄(せきずい)から分岐して、おしりから太もも・ふくらはぎの後面、指先にかけての感覚を担っています。
脊髄が分岐して坐骨神経に移行するのは、腰骨(腰椎-ようつい-)の4番目からお尻の骨(仙椎-せんつい-)の3番目の位置です。
坐骨神経の85%は梨状筋(りじょうきん)と呼ばれるお尻の深層にある筋肉の隙間を通ります。
そのあと、内閉鎖筋(ないへいさきん)や大腿方形筋(だいたいほうけいきん)といった深層六筋(しんそうろっきん)の表面を通ります。
その他の15%は梨状筋の下方を通り、上双子筋(じょうそうしきん)と下双子筋(かそうしきん)という筋肉に挟まれるようにその隙間を通り抜けます。
それらは下方に向かって走行し、膝の外から裏側で総腓骨神経(そうひこつしんけい)と脛骨神経(けいこつしんけい)に分かれ、足の指まで支配しています。
このように坐骨神経が分布し働いているおかげで、足を自由にコントロールすることができるというわけです!
神経の主な役割
なお、神経は主に3つの役割を担い、私たちの体をうまくコントロールしています。
知覚神経:皮膚や筋肉、関節から痛みや温度、体の位置などの感覚情報を感知し、中枢神経へ情報を伝達する役割
運動神経:脳からの指令を伝達し、体の各部を適切に動かす役割
自律神経:生命の維持を目的に私たちの意志とは無関係に自動的に内臓や血管、腺などの機能を調整する役割
坐骨神経痛の症状
坐骨神経痛とは、おしりから足の指に走行する坐骨神経のどこかで圧迫がかかったことで生じる自覚症状です。
主に以下のような異常な感覚が生じるとされています。
- 痛み
- 締め付け感
- 痺れ
- 冷感
- 灼熱感
症状が発生する場所は、坐骨神経が支配しているおしりから裏もも、ふくらはぎの外側、足の指に至るまでで、神経が圧迫される場所によって範囲が異なります。
「腰をそらすと痛みやしびれが増悪する」「長時間立ったり、歩くとしびれてくる」「安静にしていてもおしりや足が痛くて寝れない」
このような症状に心当たりがあれば、坐骨神経痛を引き起こしている可能性があります。
また、坐骨神経が支配している排尿機能を司る神経領域でストレスがかかった場合、尿失禁や頻尿などの排尿障害や会陰部のしびれ・ほてりといった異常感覚が生じることもあります。
そのような重度の症状が出ている場合は、早めに受診しましょう。
坐骨神経痛の原因
ここでは、坐骨神経がなぜ圧迫などのストレスを受けてしまうのかについて掘り下げていきます。
原因の多くは、腰椎に異常が生じること
坐骨神経痛の原因の多くは腰椎に異常が生じたことによるものです。
腰椎が変形することにより、そこに走行している坐骨神経を圧迫してしまうというわけです。
例えば、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などが該当します。
坐骨神経痛を引き起こす可能性のある病気
では、坐骨神経痛を引き起こす原因を考えていきましょう。
【腰椎の変形によって坐骨神経痛を引き起こす病気】
腰部脊柱管狭窄症
50代以降の中高年に多く発生。主に老化による腰椎の変形でその後方にある脊柱管が狭くなってしまうことによるもの。
脊柱管の中には脊髄が走行しており、腰部の脊柱管が狭くなることで腰骨あたりに位置している神経根(脊髄と末梢神経をつなぐ根本)を圧迫してしまうことで症状が生じます。
特徴として、体を反らせたり捻ったりすると痛みやしびれが増悪しやすいです。
また、間欠的跛行(かんけつてきはこう)という歩行障害を引き起こす場合もあり、しばらく歩くとお尻から足にかけて痛みやしびれが発生し歩けなくなるとこともあります。
前かがみになって休けいすると、脊柱管の隙間ができ、神経の圧迫が改善するため、症状がやわらぐのが特徴です。
腰椎椎間板ヘルニア
20代〜30代の男性に多く、主に肉体労働の多い仕事についている人がかかりやすいと言われています。
また、スポーツやデスクワークなど腰椎にストレスが過剰にかかってしまうことで発生するのが特徴です。
脊椎(背骨)は、積み木のように重なって首からおしりにかけて走行しています。
骨同士ををしっかり支えるために、その間には椎間板(ついかんばん)というゼリー状のクッションが構成されています。
このゼリー状の物質が脊柱管の中に脱出してしまい、神経根を圧迫するため、痛みやしびれといった異常感覚を引き起こすのです。
その中でも一番体重の負荷がかかりやすいとされている、腰椎の4番目から5番目の骨の変形が最も多いです。
特徴として、前かがみになって腰椎にストレスがかかると痛みやしびれが増悪しやすいことが挙げられます。
そのため、あぐらや横座り、中腰での作業は要注意です。
その他腰椎の変形を伴う病気として、以下のような病気もあります。
- 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
- 腰椎圧迫骨折
- 腰椎分離症
- 腰椎すべり症
【その他、坐骨神経痛を引き起こす状態や病気】
梨状筋症候群
坐骨神経の85%は梨状筋(りじょうきん)と呼ばれるおしりの深層にある筋肉の隙間を通ります。
この梨状筋が硬くなり、坐骨神経を圧迫してしまうことで発生する痛みのことを「梨状筋症候群」といいます。
しかし、坐骨神経痛は神経の通り道で圧迫されれば起こる可能性があるため、梨状筋以外の筋肉が原因で発生することも。
例えば、上双子筋・下双子筋内閉鎖筋などの深層六筋などが挙げられます。
がん
腰椎腫瘍(ようついしゅよう)や馬尾神経腫瘍(ばびしんけいしゅよう)などが例としてあげられます。
腫瘍が神経根を圧迫することが原因で坐骨神経痛を引き起こす場合もあります。
この場合は、姿勢を変えたり休憩したりしても痛みが緩和することはありません。
発熱したり、夜間に痛みが増悪したりする場合もあるため、早めの受診をお願いします。
坐骨神経痛の治療法・対処法
ここまで、坐骨神経痛の原因となる疾患について解説してきました。
次に、座骨神経痛の治療法と対処法についてご案内します。
坐骨神経痛があるときは、まずは病院へ
座骨神経痛があるときは、まずは病院を受診することをおすすめします。
適切な治療を受ければ、症状の緩和・再発の予防につなげることが可能です。
では、坐骨神経痛の治療法と対処法について詳しくお話ししていきます。
病院では、まず神経や骨、筋肉や靭帯などに原因がないかどうか検査します。
検査方法はレントゲン・MRI・CTなどです。
その後、手術適応となったり痛みの緩和を目的とした治療に移ります。
痛み止めの薬や注射
痛みの緩和を目的とした薬物療法として、一般的に非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)が選択されることが多いです。
薬局で売っている商品の中では、バファリンやロキソニンがこれに当たりますが、有効成分が医療用のものなので効用は高いです。
また、しびれを伴うような痛みや発作的な強い痛みの場合、以下の薬が処方されることもあります。
- 「神経障害性疼痛薬」:神経の興奮を抑える薬
- 「筋緊張弛緩剤」:筋肉の過緊張を緩和する薬
- 「血管拡張剤」:血流の改善を促し痛みを和らげる薬
物理療法
他の治療法としては、温熱療法や骨盤牽引療法などが挙げられます。
温熱療法はホットパックや低周波電気治療など患部を温めて血行良くすることで筋肉の緊張や神経の興奮を抑えたりすることが可能です。
骨盤牽引療法は腰部脊柱管狭窄症など神経の通り道が狭くなってしまった場合などに使われます。
体幹と骨盤にベルトを巻き、腰椎の隙間を広げるように下方に牽引する方法です。
装具療法
腰部から骨盤にかけてコルセットやサポーターを巻いて腰椎を安定させることで、椎体や神経への圧迫を避けることができます。
体幹筋力を補ってくれるため、痛みの緩和には有効ですが、長期間装着すると筋肉低下を引き起こすことも。
そのため、痛みの強いときや重いものを持つときなどに使用することをおすすめします。
腰部脊柱管狭窄症や圧迫骨折の軽症例では、早期には処方されることが多いです。この場合の使用期間は医師の指示に従ってくださいね。
その後の治療は整骨院へ
診断名がついた場合、病院では手術の他に痛みの緩和を目的とした治療が選択されます。
その際、薬物療法や装具療法と平行してリハビリでの運動指導を受けることになります。
しかし、病気の診断名がつかない場合や病院の治療期間が決めれれているため、治療を受けられないというケースも…。
そんな場合は、整骨院での治療をおすすめします。
鍼治療
鍼治療でツボを刺激することで、筋肉や筋膜の硬さをとり、痛みやしびれなどの異常な感覚を抑えることができます。
痛みの原因となっている局所に直接アプローチが可能なので、効果的です。
治療+運動指導
坐骨神経痛の改善や予防は継続的なストレッチや筋トレが効果的です。
そもそも坐骨神経が圧迫される原因となる腰に負担がかかりやすい姿勢を取らないことが重要です。
反り腰などの悪い姿勢は、おしりや裏ももの筋肉が硬くなっていることが多く、坐骨神経痛を引き起こす原因になります。
そのため、ストレッチを行い柔軟性を保つことと、姿勢を正すための筋力をつけることが重要です。
また、普段の体の使い方も一度見直してみるといいでしょう。
重いものを持つ時、膝を伸ばしたまま持ち上げようとすると、腰への負担がかかりやすいです。
しっかり腰を落とし、足の関節の曲げ伸ばしを利用して楽に持ち上げる習慣をつけるだけでも負担は軽減できます。
すでに痛みが出てしまっている場合、痛みを避けようとしてかばいながら体を動かしているかもしれません。
このかばいながらの動きがさらに新たな痛みを発生させる原因にもなります。
整骨院では運動指導の他に徒手治療や姿勢矯正での根本治療が受けることができます。
一度、整骨院で相談してみるとよいですね。
坐骨神経痛を正しく理解し、早めの治療を!
坐骨神経痛の症状が当てはまったら、そのまま放置せず、早めに治療を受けましょう。
原因の多くは腰椎の変形によるものであり、安静にしていても改善は難しいです。
病院でしっかり適切な処置を受けた上で、さらに症状の改善・予防を目的に整骨院での治療や指導を受けるとよいですね。