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不眠症改善のポイント・治療法まとめ
「寝床に入ってもなかなか眠れない」
「寝たと思ったらすぐに目が覚めてしまう」
このように、「眠りたいのに眠れない」という悩みを抱えていませんか。
2019年に厚生労働省が行った「国民健康・栄養調査」によると、調査対象の男性の10-25%、女性の15-25%が「寝つきが悪い」「目が覚める」といった不眠の症状を訴えています。
不眠症はもはや誰もがかかりうる病気、日本の国民病とさえ言われています。
この記事では、不眠症の症状や原因、不眠を改善するための生活習慣や不眠の治療についてご案内します。
不眠への理解を深めることが、不眠症改善の第一歩です。
不眠の状況や症状に合わせて生活習慣の見直しを行ったり適切な治療を受けたりするとともに、鍼灸治療なども上手に取り入れて、少しずつ満足できる眠りを取り戻していきましょう。
不眠症の症状
そもそも、どんな症状を不眠症というのでしょうか。ここでは、不眠症の診断基準や、不眠症のタイプをご紹介します。
不眠症とは?
「眠りたくてもなかなか眠れない」という夜を経験したことは、誰しもあるのではないでしょうか。
寝つきが悪い、頻繁に目が覚めてしまうといった眠りのトラブルは、時々であればそれほど心配はいりません。
しかし、長期間続くと昼間の眠気に襲われたり、注意力が散漫になったりと、日常生活に支障をきたしてしまいます。
- 眠りのトラブルが長期間続く
- それによって日中の心身の活動に悪影響が出る
このように、眠れないことで日常生活に支障が生じている場合、それは「不眠症」です。
不眠症=睡眠時間が少ないと考える人もいますが、何時間眠れば十分なのかには個人差があります。
睡眠時間の長短ではなく、眠れない症状が昼間の生活に支障を与えているかどうか、が不眠症の判断の基準になります。
不眠症の4つのタイプ
不眠症は次の4つのタイプに分けられます。
入眠障害 | 寝つきが悪い ベッド・布団に入ってから眠るまでに時間がかかる不眠症の中で最も多いタイプ |
中途覚醒 | 睡眠を継続することが難しい 眠りが浅く、夜中、睡眠途中に何度も目が覚める |
早期覚醒 | 早朝に目が覚める起きようとする時刻よりも早く目が覚める |
熟眠障害 | 睡眠の質に満足できない ある程度眠っても眠りが浅く、ぐっすり眠れた気がしない |
タイプによって原因や対処法が変わってきますので、まずはどの睡眠トラブルに悩まされているのかを理解しましょう。
不眠症の原因
不眠症と一口にいっても、タイプも異なれば原因も異なります。そして原因が異なれば、対処法・治療法も変わってきます。
ここでは、不眠症の主な原因を見ていきましょう。
ストレス | 不安や心配事が心の中にあり眠れない |
環境 | 寝室の音や光が気になる 寝室が暑すぎる・寒すぎる枕や布団が体に合っていない |
生活リズム | 仕事のシフト勤務や勉強などの理由で昼夜が逆転している旅行などで時差のある場所を移動する |
からだの病気 | 咳や息苦しさ、かゆみや痛み、関節の痛みなど、何らかのからだの病気の症状がある |
こころの病気 | うつ病や統合失調症など、不眠を伴う心の病気がある |
薬や刺激物 | 睡眠を様食べる副作用がある薬(ステロイド薬やパーキンソン病の薬など)を服用しているカフェイン、たばこ、アルコールなどの刺激物 |
原因は場合によっては一つではなく、いくつかの要因が重なって不眠を引き起こしていることもあります。
不眠症を改善する生活習慣
不眠症の原因が分かったら、不眠症が起きている原因をできるところから取り除いていきましょう。寝室の環境、生活リズムの乱れや刺激物などは、今日からでも気をつけることができます。
ここでは、不眠症を改善するための生活習慣に取り入れたいポイントをご案内します。
起床時間を毎朝一定に保つ
1日の覚醒と睡眠のタイミングを決めるのは、脳の中にある体内時計です。この体内時計のリズムが乱れると、規則的な睡眠が取れなくなります。
体内時計のリズムを乱さないためには、毎朝同じ時刻に起きることを心がけてください。遅く寝たからといって起床時間をずらすのは良くありません。
朝の太陽の光を浴びる
体内時計は起床直後に太陽の光を浴びるとリセットされ、リセット後15-16時間で眠気が生じると言われています。そのため、太陽の光によるリセットが行われないと、夜眠くなる時間が遅くなりがちです。
「太陽が出ていない日は効果がないのか」というと、そうではありません。曇りの日であっても、屋外の方が室内よりは明るいのです。
朝は暗いままの室内で過ごすのではなく、カーテンや障子を開けてしっかり太陽の光を浴び、体内時計をリセットしましょう。
朝食を食べる
朝食を取ることで睡眠から覚醒のメリハリが生まれます。噛むことで脳が覚醒し、口から入った食物が胃腸を活性化するからです。
現代は朝食を取らない人も増えていますが、心と身体を目覚めさせるためには毎日きちんと朝食を食べることが大切です。
適度な運動をする
昼に活動をすることは、夜の快適な睡眠に繋がります。
日中に適度な運動を行うと心身の覚醒を維持できますし、運動による程よい体の疲れは、入眠を促し睡眠を安定させます。
昼は活発に、夜はゆったりと。昼夜の活動にメリハリをつけるといいでしょう。
ただし、ハードな運動をすると心身が興奮状態になり、睡眠を妨げるので逆効果。軽めの運動を毎日続けることを意識しましょう。
寝室を快適に保つ
良い睡眠のためには、寝室の環境に気を配ることも重要です。
寝室の温度や湿度、ベッド・布団の中の温度は、寝つきや睡眠の深さに影響します。
私たちのからだは体温が下がると眠くなるようになっています。ところが、寝室の温度や湿度が高過ぎると、汗をかいても熱が皮膚から逃げていかず、体温調整が上手くいきません。
逆に寝室の温度が低過ぎても、今度は血管が収縮して体温を保とうとします。つまり、体温調節が適切にできる環境温度や湿度でないと、寝つきが悪くなってしまうのです。
寝室の温度や湿度は暑すぎず寒すぎず、適温をキープするのがベストです。掛け布団や毛布も室内の温度に合わせて調整しましょう。
また、光と音も安眠に影響を及ぼします。
照明が明るすぎると寝つけないばかりか、睡眠の質が低下します。真っ暗である必要はありませんが、心地よく感じる程度に照明を落としましょう。
また、気になる音がある場合は音源を切るか、それが無理な場合は耳栓などで遮断するといいでしょう。
就寝前に刺激物を取らない
寝酒を飲む習慣がある人やベッドで寝たばこをする人は多いかもしれませんが、就寝前にアルコールやタバコを摂取するのは入眠の妨げになったり、睡眠の質を低下させたりします。
アルコールは一時的には眠りを促すかもしれませんが、眠りが浅くなるため中途覚醒が増えてしまいます。また、タバコに含まれるニコチンには覚醒作用があるため、入眠を妨げます。
就寝前の寝酒や喫煙は極力控えましょう。
就寝前にリラックスする
スムーズに眠りにつくためには、就寝時間に向けてリラックスすることが大切です。
眠くなるのは体温が下がるときなので、就寝時間の3時間前ぐらいにぬるめのお湯でゆったりと入浴するのは効果的です。
また、テレビやスマホ、ゲームなどは視覚や聴覚から脳を刺激して興奮を高めるので、就寝時間の1時間前にはこうした電子機器を消して脳を休める時間にすることも大切です。
心身共にリラックスできる自分に合った方法を探してみてください。
睡眠時間にこだわらない
「〇時にはベッドに入らないと」「〇時間眠らなくちゃ」と就寝時間や睡眠時間にこだわると、逆に眠れなくなってしまいます。
もし寝床に入ってしばらくしても寝つけない場合、無理に眠ろうとすると却ってストレスで寝つけなくなってしまうので、一度寝室を離れるなどして気分を変えてみましょう。
睡眠時間が短くても、ぐっすりと眠れればそれでよし、と気楽に構えることが大切です。
不眠症改善の治療
日常生活を改善しても不眠の症状が続く場合、早めに病院の「睡眠外来」「不眠症外来」などで専門医に相談して適切な治療を受けましょう。
不眠症改善にはステップを踏んだ治療が必要です。
不眠症治療のステップ
不眠症の治療は以下のステップで行われます。
- .非薬物治療
日常生活を見直し、不眠症の原因となる生活習慣を改めていきます。 - 薬物治療
必要に応じて医師が睡眠薬を処方することがあります。 - 薬の減量から治療終了へ
生活習慣を見直し、不眠の症状が改善したら徐々に薬を減らしていきます。最終的に薬物治療をやめても状態が安定していることが確認できたら、治療終了です。
場合によっては1.と2.を並行して行う場合があります。
治療ステップごとのポイント
各治療ステップのポイントをご案内します。
1.非薬物治療のポイント
生活習慣の改善は不眠症の原因に応じて対処することが大切です。
他の病気との関連が疑われる場合は、不眠治療の専門機関から適切な医療機関に連携してもらうことが大切です。
ストレスが原因の不眠は自律神経の乱れが関係している場合があり、鍼灸治療での改善が期待できます。整骨院では、鍼灸治療とともに関節の痛みなど身体の歪みも併せて施術してもらえるので、相談してみるといいでしょう。
2.薬物治療のポイント
「睡眠薬は副作用があるので怖い」と心配される方がいるかと思います。
確かに昔は副作用の強い睡眠薬がありましたが、現在の不眠治療に使われる睡眠薬は安全性が高まり、副作用も軽減されています。
どの薬を用いるかの選択肢も増えていますので、睡眠治療認定医や精神科医のいる病院を選びましょう。
3.薬の減量から治療終了までのポイント
薬物治療で大切なのは、医師の指示通りに薬を服用することです。
特に薬を減らす指示があると「もう治った」と自己判断をしてしまいがちですが、用法や容量を変えたり、勝手に服用を止めたりすることは禁物です。逆効果で睡眠が不安定になったり、解放に向かっていた不眠が悪化する場合があります。
薬の指示に疑問や質問があるときは、医師や薬剤師に相談しましょう。
生活習慣の是正や適切な治療で不眠症を改善しよう
今回の記事では、不眠症のタイプ、生活習慣で不眠症を改善する方法、不眠症の治療法などをご紹介しました。
不眠症はそれだけでも生活の質を低下させますが、他の病気が隠れていたり、生活習慣病を引き起こしたりする可能性があるので放置は禁物です。
特に不眠にはストレスが関係している場合が多く、気軽に相談できる場所を持つことは大きな助けとなります。
近所にある整骨院で身体の歪みを整えてもらいながら不眠の話をしたり、場合によっては鍼灸治療などを受けることで症状が改善する可能性があります。
ストレスの解消や生活習慣の改善をしてもどうしても症状が治らない場合は、早めに「不眠外来」など専門家に相談しましょう。