ふくらはぎの肉離れを早く治すには？対処法や治療について

2022年1月24日

ふくらはぎの肉離れは、何らかの原因で筋肉が断裂してしまうケガで、正式名称は「筋挫傷（きんざしょう）」です。

一見、激しい運動をしているときに起こりそうと思われがちですが、実は日常生活の中でもふくらはぎの肉離れは起こります。

そして、一度引き起こすと治療に時間がかかるだけでなく、再発や後遺症を残すことも！

「ふくらはぎの肉離れを早く治したい！」「対処法や再発しない治療方法はあるのか」気になりますよね。

そこで今回は、ふくらはぎの肉離れを早く治すにはどうすればいいのか、適切な対処法や治療についてご紹介します。

ふくらはぎの肉離れの症状と原因

強い痛みで歩くことがままならない場合があるふくらはぎの肉離れですが、「どのような症状なのか」「何が原因で引きおこるのか」気になりますよね。

以下では、ふくらはぎの肉離れの症状と原因を解説しています。

症状

肉離れを引き起こすと、次のような症状が現れます。

激痛でかかとを床に付けられない
ふくらはぎを押すと痛い
内出血や腫れが現れる
重度の場合は足首を触るだけでも痛い

ブチッという嫌な感覚がふくらはぎに走った瞬間、強い痛みを感じるのも特徴です。

原因

ふくらはぎの肉離れは、急に走ったりジャンプしたりなど、筋肉に強い負荷が加わってしまうことが原因です。

スポーツするときの準備運動不足、筋肉への疲労が蓄積すると起こりやすくなります。

また、ふくらはぎの肉離れはスポーツだけが原因というわけではありません。

例えば日常生活で水分が不足している状態が続くと筋肉が緊張状態になり、ふくらはぎの肉離れを引き起こすことがあります。

他にも、ふくらはぎの肉離れは、体が冷えて血流が悪く、筋肉のしなやかさが失われた状態でも起こりやすくなります。

肉離れしたときの対処法

ふくらはぎの肉離れを起こしたとき、適切な対処法を取ることで早期回復が見込めます。このとき重要になるのが「RICE処置」です。

RICE処置は、以下の頭文字からとった応急処置のことをいいます。

休ませる…Rest
冷却する…Icing
圧迫する…Compression
挙上する…Elevation

処置ごとに解説しますので、参考にしてみてください。

Rest（休ませる）

ふくらはぎの肉離れを起こしたとき、すぐに患部を休ませましょう。無理をして動かしたり放置したりすると患部の修復が遅くなり、リハビリができなくなってしまいます。

しっかり固定して動かさないようにすることがポイントです。

Icing（冷却する）

ふくらはぎの肉離れが腫れて内出血と痛みが悪化しないよう、患部を正しく冷却しましょう。

冷却には、腫れや痛みをひかせるだけでなく、細胞の代謝を下げてケガの悪化を防ぐ効果が期待できます。

患部をただ冷やすだけでは、意味がありません。正しい冷却方法は以下の通りです。

氷の表面についている霜を水で流す
ビニール袋に氷を入れて中の空気を抜きながら口を閉じる
氷の入ったビニール袋を30分間患部に当てる
冷やし終えたら1時間のインターバルを置く

冷却するときは、上記の方法を3〜5セット繰り返し行いましょう。

圧迫する（Compression）

ふくらはぎで肉離れを起こしたら、患部を圧迫しましょう。圧迫には腫れを最小限に抑える効果が期待できます。

このとき、テーピングで圧迫するのではなく、患部に氷入りのビニール袋を当てながら包帯でしっかり圧迫しましょう。

また、きつく圧迫しすぎてしまうと神経障害を起こす危険性があるので、皮膚の変色やしびれが現れないギリギリのラインで行う必要があります。

挙上する（Elevation）

ふくらはぎの肉離れには、挙上（きょじょう）を行いましょう。挙上とは、患部を心臓より高い位置に固定することです。

挙上には、腫れや内出血を抑える効果が期待できます。このとき、寝転がりながら、クッションなどを足の下に入れて患部を固定するといいでしょう。

RICE処置は肉離れが発生してから48時間継続し、患部をあまり動かさないようにするのがポイントです。

肉離れしたときに避けるべきこと

肉離れしたとき、以下のことは避けましょう。

飲酒
入浴

これらは、症状を悪化させる原因につながります。具体的に取り上げているのでぜひ参考にしてみてください。

飲酒

肉離れを起こしたときは、飲酒を控えてください。アルコールを分解するエネルギーの消費により、筋肉の回復に時間がかかってしまうためです。

また、アルコールには筋肉にとって重要になるカルシウムの吸収を阻害し、排泄させる効果もあります。その結果、筋肉の修復が遅くなってしまいます。

入浴

炎症を起こしている患部は熱を持っているので、温めてしまうと症状を悪化させてしまいます。そのため、入浴は避けてください。

どうしても汗をかいて気持ちが悪い、体を洗いたい場合は、シャワーを浴びる程度に留めましょう。

このように、症状の悪化につながることがあるため肉離れをしたときは、注意が必要です。

肉離れを早く治すためのポイント

肉離れを起こしてから完治するまでは、一般的には約3週間から長いもので約3か月といわれています。

「日常生活がまともに遅れないのは困る」「肉離れを一刻も早く治したい」という方のために、肉離れを早く治すためのポイントをまとめました。

整形外科を受診する

肉離れを早く治したい方は、適切な治療を受ける必要があります。肉離れを放置すると回復が遅れるだけでなく、後遺症が残ってしまうケースもあります。

治療法も症状で異なり、軽度であれば湿布薬、内服薬、ぬり薬で対応します。重度になるとギプス、松葉杖が必要です。

整形外科を受診し、超音波検査やMRI検査で肉離れの状態を調べてもらうようにしましょう。

適度なストレッチをする

肉離れを早く治すためには、適度なストレッチをすることもポイントの1つです。

肉離れの治療には安静にすることが一般的ですが、完全に動かさずにいても運動機能の低下につながってしまいます。

無理をすると症状が悪化するので、専門家からの適切な指導のもと、痛みの状況を確認しつつ行いましょう。

タンパク質・マグネシウム・カルシウムを摂取する

筋肉の修復にはタンパク質、マグネシウム、カルシウムは欠かせません。そのため、積極的に食べ物から摂取するようにしてください。

上記3つの栄養素が含まれる食べ物を表にまとめています。

	タンパク質	マグネシウム	カルシウム
摂取できる食品	鶏のささみ豚ロースいわしまぐろ納豆ヨーグルトなど	アーモンド玄米そばわかめあおさのり切り干し大根など	牛乳チーズ小松菜菜の花ひじきししゃもなど
栄養素の働き	筋肉を作る	筋肉作りを促す	筋肉を動かす

肉離れを早く治したい方は、このような食材をバランスよく取り入れてみてください。

肉離れの治療は整骨院へ

ふくらはぎのに肉離れは、仕事や家事ができない状態になります。整形外科を受診し、適度なストレッチを行い、バランスの良い食事を摂ることは大切です。

しかし、肉離れは一度経験してしまうと再発しやすいともいわれています。

「ふくらはぎの痛みを早く治したい」「再発しないようにするにはどうしたらいいのか」と思いますよね。

そのような方にこそ、整骨院がおすすめです。

なぜ肉離れの治療には整骨院がいいのかを以下で解説しますね。

国家資格を保有しているから

ふくらはぎが肉離れしたときの治療に整骨院がいい理由の1つとして、整骨院は「柔道整復師（じゅうどうせいふくし）」などの国家資格を保有する施術者がいる点です。

柔道整復師は、解剖学、生理学、運動学、病理学などの基礎医学に加えて、外科学、リハビリテーション学などの臨床医学について広い知識を持っています。

そのため、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷のような損傷も、応急処置、再発を防ぐ治療を可能にするのです。

中には鍼（はり）や灸を使う「鍼灸師」や、あん摩、マッサージ、指圧のを用いて体の不調を取り除く「あん摩マッサージ指圧師」が在籍している整骨院もあります。

ちなみに、鍼灸師やあん摩マッサージ指圧師も国家資格です。

このように整骨院は表面的な痛みではなく、人間に備わっている自然治癒力を最大限に引き出す治療ができると国から認められたプロ集団の集まりといえるでしょう。

整体との違い

整骨院と整体では以下のような違いがあります。

	整骨院	整体
資格の違い	国家資格	民間資格または無資格
施術目的の違い	自然治癒を引き出す治療応急処置	リラクゼーション
保険適用の違い	保険が適用される（条件あり）	保険適用されない

整骨院は、国家資格を保有する施術者により、自然治癒を引き出す治療や応急処置が受けられます。肉離れの治療には保険が適用されるため自己負担額が少なくなるでしょう。

一方、整体は民間資格または無資格の施術者による、リラクゼーションを目的とした施術を受けられます。治療目的ではないため、保険は適用されません。

名前は似ていますが、全くの別物です。ふくらはぎの肉離れを治療する場合は、整骨院へ行きましょう。