関節リウマチは治療で治る!?治療法やリハビリについて

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免疫の異常によって関節に炎症が起こり、「痛み」や「腫れ」が生じる病気「関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)」。
一昔前までは、関節リウマチは治療しても、完治することはない病気として知られていたのですが、現代医療では完治の可能性のある疾患となっています。

また、「関節リウマチ」と言っても、サブタイプと呼ばれるものが何千種類とあり、症状に合わせた適切な治療を行うことが大切とされているのです。
この記事では、関節リウマチに関する基本的な知識と、初期症状・経過、治療法について解説していきます。
関節リウマチの症状や治療法について知りたい方は、参考にしてみてください。

目次

関節リウマチとは?

一般社団法人 日本リウマチ学会(JCR)の解説によると、「関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)」は、免疫の異常によって、「痛み」や「腫れ」などの症状が関節部分に起きる病気のことを言います(リュウマチと呼ばれることもある)。

関節リウマチの症状が進行すると、関節が変形したり、骨が破壊されたり、機能障害を引き起こす場合があるので、早期発見をして、初期段階で治療し、治すことが大切です。

関節リウマチ患者について

関節リウマチの有病率は、全人口の0.5%〜1%前後と発表されています。

男女比率は1:3、好発年齢は40〜60歳、有病率が高いのは50〜60歳ということで、女性の方が高く、若年層より高齢層の方が関節リウマチを発症しやすいデータがあります。

関節リウマチの治療法は、いくつも発案されていて、おかげで平均死亡率は、1986年が64.5歳だったのが2007年に71.5歳にまで伸びました。

関節リウマチの原因は、はっきりと解明されていないのですが、「ストレス」「疲労」「喫煙」「出産」など様々な環境要因が考えられています。

関節リウマチが完治することはあるのか

結論から述べると、「関節リウマチが完治するかどうかはまだ分からない」のが現状です。

関節リウマチは、最新医療・手術・特効薬などを使うことで、以下の3つの段階で治る可能性があることが分かっています。

  • 臨床的寛解:関節の痛みが腫れがないこと
  • 構造的寛解:関節が全く破壊されないこと
  • 機能的寛解:日常生活が不自由なく送れること

関節リウマチの治療完治とは、「投薬を減量・中止しても寛解を維持できる状態」のことを言います。
しかし、日本国内で関節リウマチの生物学的製剤が登場したのは、十数年前のこと。

平均寿命が伸びたり、投薬をせずに生活できている人はいるものの、再発しない可能性はゼロではないのです。
そのため、医学的な面で、「関節リウマチの治療が完治した」と断言するには、もう少し様子をみる必要があるということです。

さらに、関節リウマチと一括りにしても、おそらく「サブタイプ」が何千種類と存在しているので、完治するもの、しないものが存在する可能性が高いです。

医療的な研究も進められていて、関節リウマチに関する新規薬剤や疾患マーカーが登場している現状を考えると、「寛解」だけではなく、「完治」する病気と断言できる日もそう遠くないと期待できます。

関節リウマチの初期症状・経過

関節リウマチの症状の経過は、大きく4つに分けられていて、多くの場合は、寛解に至るケースもあるので、しっかりと治療を受ければ安心できる病気です。

また、関節リウマチに限らず、どんな病気でも自分で違和感を感じた時に、病院にかかって原因を追求する「早期発見」が大切なので、関節リウマチの症状について把握しましょう。

治療で半数以上は寛解も

一般的には、関節リウマチは、ゆっくりと症状が進行していく病気で、痛みや骨などの破壊、変形のリスクがあるものの、急激に悪くなったりすることは基本的にはありません。

関節リウマチが疑われる初期症状は、以下の通りですので、当てはまる項目が多い場合は、診断・検査・治療法を検討しましょう。

  • 熱っぽい
  • 体がだるい
  • 食欲がない
  • 朝方に手指・手首の関節周辺がこわばる

こういった初期症状から、関節リウマチの進行が進むと、「関節炎」「関節の腫れ」「関節の痛み」が発症するのですが、指先などの小さな関節から全身の関節へと症状が広がっていくのが特徴とされています。

さらに関節リウマチの進行が進むと、関節の軟骨・骨などが破壊されてしまい、「脱臼」「変形」などが起こり、日常生活・家事・仕事などに支障が出てきます。

そのため、関節リウマチが疑わしい場合は、骨が破壊される前の「早期発見」と「早期治療」が必須です。

現在では、関節リウマチの治療を経て、痛みが抑制されたり、血液検査が正常になるなどの「寛解(かんかい)」に至るケースが半数近くに到達しています。

このように、関節リウマチは、治療をすることで良くなることが多いので、安心して適切な治療を行いましょう。

4つのタイプ

関節リウマチの症状は、人それぞれ異なりますが、主に4つのタイプに分けられています。

進行型
現時点では、適切な治療方法が見つかっていない段階で、関節リウマチの症状が悪化していく可能性が高い
他周期増悪型 治療をしても完治する可能性が非常に低く、関節リウマチの症状が徐々に悪化していく可能性が高い
他周期寛解型 関節リウマチの治療法を行えば、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、回復の可能性が高い
単周期型 関節リウマチの症状が出たとしても適切な治療法を行えば、すぐに回復する可能性が高い


関節リウマチの4つの症状に関しては、診断を受けることで知ることができるので、結果に応じて、最適な治療法を受けるようにしましょう。

関節リウマチの治療法

日本では、関節リウマチの治療にも積極的に力を入れていて、1998年に生物学的製剤の導入。
2010年に「目標に基づいた関節リウマチの治療」が提唱されています。

このように、関節リウマチに関する治療法は、発展しているので、痛みを緩和したり、骨の破壊を防ぐことが期待できます。

関節リウマチの治療に関しては、日常生活でサクッとできるものから、費用がかかったり、重度の副反応などのリスクがあるものまで様々です。

効果以外に、どのようなリスクがあるのかも把握した上で、治療法を選択するようにしましょう。

関節リウマチの治療法について5つ解説していきます。

薬物療法

関節リウマチの治療の方法として「薬物療法」が導入されています。
民間の製薬会社も積極的に研究を進めていて、実際の関節リウマチ患者が服用して効果が出ているケースも多くみられるので、寛解・完治の期待が見込めます。

ただし、薬物療法は、副反応やアレルギー反応、合併症などのリスクがあるので、定期的に検診を受けながらの服用が大切です。

実際に、一般社法人日本リウマチ学会は、ここ数年で治療中にリンパ増殖性疾患(LPD)/リンパ腫の増加数に注目していると発表しています。

今までに薬の服用で反応が出たことがある人は、十分に注意が必要な治療法となっています。

関節リウマチの薬物療法

薬物療法名 期待できる効果 副反応等のリスク
抗リウマチ薬 痛み・炎症の改善と抑制
骨の破壊を遅らせる
発疹・蛋白尿・血液障害・感染症
ステロイド(副腎皮質ステロイド) 痛み・炎症の抑制 糖尿病・骨粗しょう症・白内障・感染症
非ステロイド性抗炎症薬 痛み・炎症の改善と抑制 胃腸・腎・肝の障害
生物学的製剤 ( バイオ医薬品 ) 痛み・炎症の改善と抑制
骨の破壊を遅らせる
肺炎などの感染症

ステロイド(副腎皮質ステロイド)」「非ステロイド性抗炎症薬」「生物学的製剤 ( バイオ医薬品 )」は、抗リウマチ薬の補助・効果不十分の場合に使用

リハビリテーション治療


関節リウマチのリハビリテーションの目的は、「生きることそのもの」であり、ただ寿命を延ばす治療だけではありません。



関節リウマチの治療を通して、「体の機能や構造」を改善して、日常の生活を送れるようになるまでを大切にしているのです。

具体的には、「運動療法」「理学療法」「作業療法」「補助具」を使って関節リウマチで悪くなった症状を軽減させたり、回復させたりしてくれる効果が期待できます。

手指、手首、握力、足指、太もも、膝、首、肩など慢性的に動かすことの減った部位をほぐしていくことで、免疫力を高めることにも繋がります。

「リウマチ体操」と呼ばれる動きがあり、自宅などでも簡単にできるので、ちょっとした隙間時間に試してみてください。

手術治療

薬物療法の開発が進み、効果も出ていることから、昔と比べると手術をする人たちは減少傾向にあります。

ただ、手術治療が不適切なわけではなく、骨の破壊が進んでいたり、痛みがひどい場合など、手術を必要としている患者さんは大勢います。

年々、医療技術の質が高くなると同時に、今までは困難とされていた関節の手術などもできるため、「人工関節」の寿命が伸びていたり、短い入院期間で関節リウマチを治すことが可能です。

その反面、関節リウマチの手術はタイミングが重要なため、期間がずれたことで効果が出なかったり、手術そのものを受けることができないケースも起こっています。

こういったリスクを避けるためには、早期発見が大切ですので、関節リウマチの疑いがある場合は、早めに病院に行きましょう。

手術名 対象者 手術内容 効果
滑膜切除術 炎症や痛みで、日常生活に支障をきたしている人 骨は触らずに、炎症部分の滑膜を関節から取り除く 炎症を軽減
人工関節置換術 関節炎、変形・破壊などで日常生活に支障をきたしている人

骨に人工関節を入れ込む 痛みの軽減と日常生活を送れるようになる
関節固定術 関節破壊がひどい人 骨に人工関節を入れ込む 痛みの軽減と支持性を得られる
関節形成術 関節が機能していない人 骨に人工関節を入れ込む 関節の機能や整容を回復させる

鍼灸治療

鍼灸治療で関節リウマチを完治させることは難しいのですが、薬物療法の副反応の軽減や服用量の減量が期待できます。

そのため、鍼灸治療のみで関節リウマチを治そうとするのではなく、薬物療法、リハビリテーション、手術などと併用することをお勧めします。

鍼灸治療は、体の中にある「自然治癒力」を引き出す目的があり、臨床検査からも「痛みの抑制効果」が実証されているのです。

さらに、血液循環を良くしてくれるため、凝りや冷えを防止して、食欲を増加させてくれるなどの効果が顕著です。

整骨院や鍼灸院で気軽に鍼灸治療ができるので、関節リウマチの予防や併用治療に利用してみてください。

食事治療

「関節リウマチには、これが効く!」といった特定の食事はありません。
ただ、免疫力の低下は関節リウマチの症状を悪化させるので、栄養価の高いバランスの取れた食事を取ることは大切です。

関節リウマチの症状が重くなると、痛みや腫れによって食事も取りずらくなるかもしれませんが、太りすぎると関節への負担がかかり、痩せ過ぎていると感染症にかかりやすくなるなどあるため、体重コントロールが必要です。

料理なども関節への負担があるので、できる範囲で食事に気をつけてみましょう。

関節リウマチに効くと言われている一般的な食材は以下の通りです。

  • さんま
  • イワシ
  • ぶり
  • ニシン
  • あじ
  • ブロッコリー
  • 赤ピーマン
  • オレンジ など

朝食などに少し添えるだけで、関節リウマチの予防や症状の軽減を期待できるので、試してみてください。

関節リウマチの症状と治療法についてのまとめ

この記事では、関節リウマチの基本的な情報と症状、治療法について解説しました。

発症の原因が分からず、完治しない病気として知られていた関節リウマチですが、薬物療法などの開発が進み、寛解・完治が期待できる病気に変わってきています。

ただ、関節リウマチにもたくさんの種類があるため、関節の腫れや痛みなどの違和感を感じたタイミングで、自分から病院にかかり、早期治療を始めることが大切です。

副反応・アレルギー反応・合併症などのリスクもあるため、関節リウマチの疑いがある場合は、治療法についても下調べしておくことで、より安心して回復のための治療を受けることができます。

リハビリや食事などを日常生活に取り入れることで、関節リウマチの予防や症状悪化の進行を遅らせる効果も期待できるので、意識的に取り組んでみるのもおすすめです。

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