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膝の痛みの原因は?原因別の治療法も解説
「膝が痛くて歩けない」「怪我をして膝が痛い」とお悩みですか?
膝は体重やストレスが強くかかる関節で、歩行や立ち座りでの曲げ伸ばしの際に重要な役割があります。
膝の機能が低下すると日常生活動作や趣味などが制限される確率が高く、膝の痛みは無視できない症状です。
この記事では、膝の痛みの原因となる代表的な病気と治療法について解説します。
膝が痛くなる原因
膝に痛みが起こる原因は2つあります。
- 膝自体に原因がある場合
- 膝以外に原因がある場合
それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
膝自体に原因がある場合
膝が痛くなる原因のひとつは、膝の構造体に異常がみられて痛みが発生している場合です。
膝の痛みを理解するために膝の構造体について解説します。
膝は以下の4つの骨で構造されています。
- 大腿骨(だいたいこつ)=太ももの骨
- 脛骨(けいこつ)=すねの内側の骨
- 腓骨(ひこつ)=すねの外側の骨
- 膝蓋骨(しつがいこつ)=膝のさら
この4つの骨が隣接して関節を作っています。
さらに、膝の骨を安定して支えたり、膝の動きをサポートするため、関節内には軟部組織があります。
- 関節軟骨
- 膝半月板
- 膝関節靭帯
これらの関節構造体を包み込むように保護しているのが関節包、関節包の内側を滑膜が覆い、骨や軟部組織へ栄養補給をしているのが関節液です。
関節構造体の損傷、変性(加齢変化)、炎症が起こることで痛みが発生します。
変形性膝関節症
変形性膝関節症と呼ばれる疾患が原因で膝の痛みが起こることもあります。
高齢女性や肥満の場合に発生しやすく、膝関節軟骨の変性(経年劣化)が主な原因です。多くは膝の内側の軟骨がすり減り、徐々に関節変形がすすみO脚となります。
また、慢性的に負荷がかかりすぎて炎症をくり返すと、関節包がもろくなり、痛みを感じやすくなったり、水が溜まったりします。
立ち上がりや階段など、膝を大きく曲げ伸ばしする動きの困難さ、歩き初めの痛みが特徴です。
【変形性膝関節症の治療法】
痛みの緩和を目的とする場合、以下のような方法が選択されます。
- 痛み止めの内服
- ヒアルロン酸注射
- サポーターを用いた装具療法
- 杖の使用、正座を避けるなどの日常生活指導
関節変形が進行し、O脚変形している場合は、高位脛骨骨切り術が選択されます。脛骨を切り、変形を修正することで内側にかたよった過度なストレスを分散させる方法です。
また、膝関節変形症の末期の状態であれば、人工膝関節置換術がおこなわれます。大腿骨と脛骨の末端を金属に置き換え、関節を整復する方法です。
半月板損傷
半月板損傷によって膝の痛みが引き起こされるケースもしばしば起こり得ます。
半月板損傷はスポーツで比較的多い外傷です。体重をかけた状態で膝をひねった場合や、衝撃がかかった場合に発生します。コンタクトスポーツやジャンプスポーツでの怪我に多いです。
また、半月板の変性(経年劣化)のある40代以上では、少しの衝撃やストレスにより損傷する場合があります。
半月板が損傷すると、関節のクッション剤としての役割が困難になり、階段昇降やしゃがみ込みなどの運動時に痛みが生じます。膝の曲げ伸ばしのときのひっかかり感やクリック音が特徴です。
重症の場合は、膝に水(関節液)がたまり、膝の機能が低下し急に動かなくなるロッキング状態になってしまいます。
【半月板損傷の治療法】
軽症の場合、運動療法による膝の機能の回復や以下のような保存療法がとられます。
- 抗炎症薬の内服
- アイシング(炎症がある場合)
- サポーターなどの装具療法
重症の場合は以下のような手術が適応されます。
- 半月板切除術:損傷した部分を切り取る方法
- 半月板縫合術:損傷した部分を縫い合わせる方法
膝靭帯損傷
膝の痛みは、膝靭帯損傷によって引き起こされることもあります。
靭帯とは、膝関節の安定性を図るために過度に関節が動きすぎないよう固定する役割を持っている部位です。膝関節靭帯は以下の4つです。
- 内側側副靱帯
- 外側側副靭帯
- 前十字靭帯
- 後十字靭帯
それぞれの靭帯は走行している向きと逆の動きをした際に、引っぱる力が働き膝を固定します。しかし、スポーツ外傷や交通事故によって強い力が加わったとき、耐えきれず靭帯損傷が起こるのです。
受傷後3週間程度は膝の痛みと関節の動かしにくさ、腫れ(関節内血腫)が目立ちます。
徐々に軽快してきますが、膝の不安定性により歩行や下り坂、膝をひねる動作での膝折れ感がみられます。
【膝靭帯損傷の治療法】
早期は痛みの緩和と保存療法が選択されます。
- ギプス固定で安静する場合
- サポーターを装着して運動療法をおこなう場合
サポーターを使用する際は膝折れなどが起こらないように金属の支柱で固定し、膝の動きを徐々に回復させる運動をおこないます。
手術する場合は、以下のような靭帯の機能を回復させる方法が選択されます。
- 靭帯修復術
- 靭帯再建術
関節リウマチ
関節リウマチにかかっている場合も、膝の痛みが起こります。
関節リウマチは、複数の関節で炎症を起こす全身性疾患です。20〜50代の女性で発生しやすく、男性と比べると5倍以上の罹患率です。
高齢者でもかかることがあります。手指の関節のほかに膝関節も好発部位です。膝関節ではO脚やX脚に変形してしまいます。
関節内に滑膜という組織が存在します。滑膜が異常増殖すると関節内に慢性的に炎症が起こります。進行すると、関節軟骨が破壊され、関節変形が起こってしまうのです。
原因は不明ですが、遺伝的なものや自己免疫疾患(※)によるものといわれています。
※自己免疫疾患:免疫抗体が自分のからだの一部を間違って攻撃してしまい、細胞を破壊してしまうもの
特徴的な症状をみていきましょう。
- 痛み
- 朝のこわばり
- 炎症による関節の腫れ
- 左右両側の手足に関節炎
- 関節の動かしにくさ(関節可動域低下)
【関節リウマチの治療法】
症状を悪化させないために非ステロイド性消炎剤などの薬物療法が基本的におこなわれます。また、適切な休養と栄養管理も重要です。
関節破壊を助長させないためのリハビリテーションや日常生活指導も導入されます。
参照元:標準整形外科学第12版 p,257〜275 編集者:松野丈夫,中村利孝 他
オスグッド病(=オスグット・シュラッター病)
小中学生に膝の痛みが起こっている場合、オスグッド病(=オスグット・シュラッター病)の可能性があります。
10〜15歳ぐらいの成長期に、ジャンプしたりボール蹴ったりするスポーツを行い過ぎることが原因で起こります。
私たちの体には膝関節を伸ばす大腿四頭筋(だいたいしとうきん)という筋肉があり、大腿四頭筋は太ももの前面から膝を通り、脛骨(けいこつ)に付着します。
膝を伸ばす動きをくり返すと、脛骨の脛骨結節という部分を引っ張ってしまい痛みが発生するのです。
【オスグッド病の治療法】
特に痛み・腫れ・熱感などの炎症症状がある場合は、無理をせずスポーツを控えましょう。
アイシングや大腿四頭筋のストレッチ、膝ベルトをするなどケアすることで治癒が可能です。
スポーツによる膝疾患
膝の痛みは、スポーツによる膝疾患が原因で引き起こされることもあります。
スポーツなどのオーバーワークによって痛みが発生する代表的な膝疾患を紹介します。
- 大腿四頭筋腱付着部炎(だいたいしとうきんけんふちゃくぶえん)
- 膝蓋骨炎(しつがいこつえん)
- 鵞足炎(がそくえん)
- 腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)
例えば、ランニングやジャンプなど同じ動作をくり返すスポーツをおこなうと発症しやすいです。骨や、靭帯や筋肉などの軟部組織がこすれ合うことで炎症が起こってしまいます。
【スポーツによる膝疾患の治療法】
入念なストレッチやアイシング、運動量の調整をおこない、症状の悪化を防ぎましょう。
膝以外が原因で痛みが出る場合
膝の痛みが起こる原因としては、原因が膝以外にあり、2次的に膝の痛みが引き起こされている場合も考えられます。
以下で具体的にどんな原因があるのか解説します。
体重増加・肥満
体重増加・肥満は、膝への負担やストレスがかかりやすいです。膝関節へのストレスが慢性的にかかることによって関節軟骨や半月板が変性し、関節変形が起こります。変形性膝関節症や半月板損傷などの原因の1つです。
O脚・X脚
体重増加・肥満により、O脚・X脚が引き起こされている場合、膝に痛みが生じるケースもあります。
O脚:両膝が外側に弯曲(わんきょく)し、内くるぶしをそろえても膝の内側がひっつかない状態。
X脚:両膝が内側に弯曲し、膝の内側をそろえても内くるぶしがひっつかない状態。
ほとんどが幼少期に認められ、青年期でもO脚・X脚が発症します。しかし、乳幼児期に変形しているのは生理的なものなので、発達するにつれた目立たなくなります。痛みが問題になるのは、病的なものです。
病的なものには、以下のようなものがあげられます。
- 靭帯の異常によるもの
- 先天的・後天的に大腿骨や脛骨の形態異常
- 外傷後の変形
【O脚・X脚の治療法】
膝装具を用いた保存療法、変形が重度の場合は手術が適応となります。
腰や股関節の病気など
膝の痛みを引き起こす原因として、腰や股関節の病気が影響することがあります。
腰の病気
- 腰椎症
- 圧迫骨折 など
股関節の病気
- 変形性股関節症
- 大腿骨の骨折 など
例えば、歩行などの移動動作は各関節をうまく調整しながら重心を前方へ動かしていきす。膝より上の機能に問題があることで膝への負担が増え、痛みが発生するのです。
【腰や股関節の病気の治療法】
まず、どこが原因で膝への痛みにつながっているのか評価してもらう必要があります。
腰や股関節の病気が疑われる場合は、専門家に相談してみてください。
痛みを感じたら早めの受診を
この記事では、膝の痛みの原因となる病気について具体的に例をあげて解説しました。
膝に痛みが発生すると歩行や立ち座りなどの日常生活動作やスポーツなどの趣味が制限されてしまいます。
膝の痛みを放置せず、適切な治療を受けることが大切です。
整骨院には、柔道整復師という国家資格を持った専門家がいます。薬による痛みの緩和も大切ですが、リハビリテーションなどの身体の機能を整え、痛みを改善する方法をおすすめします。
また、整骨院では、日常生活での具体的なアドバイスももらえます。まずは整骨院に相談し、あなたに合った治療を受けましょう。