自宅で簡単!肩甲骨の可動域を広げるストレッチ

肩甲骨可動域広げる

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背中の上部に左右それぞれ羽のようについた大きな骨「肩甲骨」は、腕を上げる・下げる・広げる・回すなどの運動と連動し、自由な動きを補助する役割を担います。

「肩甲骨の可動域は広いほうがいい」と言われていますがどう意味なのでしょうか。

肩甲骨まわりの筋肉が固くなると、可動域が狭くなり「肩こり」「猫背」などの日常生活の不調につながるので、可動域を広げることは大切です。

整体に行けば肩甲骨の可動域を広げることができますが、自宅でできる肩甲骨の可動域を広げるトレーニング・ストレッチは多くあります。

この記事では、肩甲骨の基本情報をまとめた上で、肩甲骨の可動域が狭くなる原因と懸念される症状、肩甲骨の可動域を広げるための自宅トレーニングや整体について解説していきます。

「年齢を重ねるにつれて肩が重くなってきた」
「デスクワークのせいで肩がガチガチに凝っている」
「ふとした瞬間、鏡に映った自分を見て猫背でおどろいた」
「最近、野球やスポーツの調子が悪くなってきた」

など肩甲骨の可動域に悩みを抱えている方は、原因を理解した上で、肩甲骨の可動域を広げるトレーニング・ストレッチを行ってみてください。

目次

肩甲骨が動きづらいと起こる不調とは?

肩こりや猫背などと深いつながりのある肩甲骨の役割と可動域が狭くなった時に起こりうる不調や体の変化について見ていきましょう。

肩甲骨とは

肩甲骨は、背中の上部に左右それぞれ羽のようについた大きな骨で、鎖骨のみ直接つながっていて、体幹(胴体)とはつながっていないため、浮いたような状態です。

鎖骨とだけ繋がっている肩甲骨は、背中の上部の位置を維持するのが難しそうと考える人もいるでしょう。

ただし、筋肉の働きが肩甲骨を支える役割を果たしているので不安定になることはありません。

肩甲骨は、「背骨」と「菱軽筋(りょうけいきん)」のふたつの筋肉が機能していることで、

・背中側に骨が出すぎないように
・肩回りの筋肉が上がりすぎないように
・肩回りの筋肉が下がりすぎないように

などの問題が起こらないようにサポートされています。

また、肩甲骨を動かすときは、鎖骨と肩甲骨を直接つなぐ「肩鎖(けんさ)関節」などがすべて連動して動きます。

例えば、長時間のデスクワークをする会社員で前かがみの姿勢がクセになっている場合、胸の筋肉が萎縮し、肩鎖関節の動きが鈍くなり、肩甲骨の可動域が狭くなる可能性が高いです。

このように、肩甲骨の動きは、「鎖骨」「肩」「背中の上部」などの筋肉全ての機能と切り離すことができません。

役割

肩甲骨は、日常生活における腕の上げ・下げ・回すという基本的動作に必要不可欠です。

肩甲骨の可動域を意識的に広げておくことで、日常生活をストレスなく快適に過ごすことができるでしょう。

肩甲骨が正常に動いていると判断するためには、

・挙上(肩を上げる)
・下制(肩を下げる)
・内転(背中を閉じる・左右の肩甲骨を内に寄せる)
・外転(背中をひらく・左右の肩甲骨を外に丸める)
・上方回旋(腕を上げる)
・下方回旋(腕を下げる)

以上6つの動作が問題なくできることが必須条件です。

意識的に肩甲骨の可動域を広げることで、スポーツ・運動で高いパフォーマンスを発揮できるメリットがあります。

【肩甲骨とスポーツの関係性】

スポーツ名 肩甲骨の可動域を広げると期待できる効果
野球 肩や肘の土台となる肩甲骨を正しく動かせるようにすることで、フォームがきれいになったり、東急障害のリスクが下がる
ゴルフ 肘や手首の位置・角度に焦点が当てられがちですが、肩甲骨を広く使って動かすことで、肩関節から腕の可動域が広がり、長距離スイングができる
水泳・競泳 1回のストロークが長く伸びるので少ない労力でタイムを伸ばせる
バレーボール スパイクの角度が広がったり、今まで届かなかったボールをブロックできるようになる
サーフィン パドリングで肩の疲労を最小限に抑えたり、体を安定させた状態でテイクオフの動作がしやすくなる
陸上 肩甲骨周りの筋肉がより動くようになるので、腕振りの幅が広がり、ピッチが早くなる
テニス サーブ、レシーブ、コントロール、速さを高める上で必要なブレの減少と安定したコントロールが強化できる

可動域を広げることの重要性

肩甲骨周りの筋肉がうまく使えずに可動域が狭くなると、体幹の動きが制限されるので、「肩こり」や「猫背」などの不調に悩まされます。

「肩こり(肩こり痛)」は、首・肩・背中にかけての筋肉が硬直してしまうことにより、「だるさ」「重さ」「疲労感」「倦怠感」「めまい」「集中力低下」「痛み」などの症状を引き起こす筋肉痛です。

肩こりを引き起こす筋肉は色々と推測できますが、首の後ろ・肩・背中にかけて貼っている僧帽筋(そうぼうきん)と呼ばれる幅広い筋肉が主要因とされています。

「猫背」とは、頸椎・胸椎・腰椎と並ぶ背骨のうち、真ん中の胸椎が極端に湾曲し、座った猫のように背中が丸まる姿勢になる症状を指します。

若年層のうちから猫背を改善せずに高齢になってしまうと「円背(えんぱい)」を引き起こし、「呼吸困難」「圧迫骨折のリスク」「バランス能力の低下」につながり、非常に危険です。

また、スポーツや運動を趣味にしている方やアスリートの場合、肩甲骨が動きにくいと、パフォーマンス力が落ちたり、怪我にもつながります。

肩甲骨の可動域が狭くなる原因

肩甲骨は、周りに靭帯などがなく、筋肉のみで支えられている大きな骨ですので、「筋肉」が正常に機能しなくなった時、可動域にも影響が出てきます。

筋肉が正しく作用していれば肩甲骨の可動域は広がりますが、筋肉が硬ければ可動域は狭くなるので、全ては筋肉次第なのです。

さらに、肩甲骨には首・腕・胸郭・背中・腰の筋が付着しているので、体感部分のコンディションを整えることも重要です。

では、なぜ肩甲骨の可動域は狭くなってしまうのでしょうか。

「肩こり」と「猫背」の症状と原因から、肩甲骨の可動域が狭くなる原因を見ていきましょう。

肩こりの症状から読み取る肩甲骨の可動域が狭くなる原因

肩こりの原因は、基本的に日常生活における習慣からくるものがほとんどですが、ごく稀に深刻な病気の症状として発症するケースもあります。

日常生活の習慣による主な原因は、

・悪い姿勢
・運動不足
・過度なストレス
・眼球疲労

などが挙げられます。

日常生活を送る上で慢性的に悪い習慣を改善せずにいると「血行不良」「筋肉減少」「自律神経の乱れ」を招き、肩こりを発症する可能性が高いです。

肩こりは生活習慣病のほかに、医療機関での診察が必須の病気が原因となる場合もあります。

【病気が原因の肩こり痛】
・肩や関節:「五十肩(肩関節周囲炎)」「腱板断裂」など
・首や肩の骨:「頚椎症」「椎間板ヘルニア」など
・内臓疾患:「脳動脈瘤」「狭心症」「心筋梗塞」「糖尿病」「高血圧」「胆石症」など

上記の中で、「五十肩(肩関節周囲炎)」「腱板断裂」「頚椎症」「椎間板ヘルニア」は、肩甲骨の可動域が狭くなる原因と直接的な関係性があります。

生活習慣の改善で効果の出ない病気になった場合は、医療機関で適切な治療・投薬の指示を受けましょう。

猫背の症状から読み取る肩甲骨の可動域が狭くなる原因

猫背の原因は、日本人の骨格が大きく関係していると言われています。

日本人は、骨盤が後ろに倒れやすい骨格をしているため、自然と肩が前屈みになり猫背になりやすい傾向にあります。

一方、日本人と比較して欧米人は、背骨の湾曲の重心が後ろにあり、背面筋肉が発達しやすいため、筋肉が維持され、正しい姿勢を保てる人が多いです。

こういった遺伝的な骨格や体格は、猫背を引き起こす主要因として挙げられますが、それ以外に、後天的なもので生活習慣が原因の場合もあります。

成人の場合、体重の10%程度が頭の重さで占めていると言われているので50kgの場合は5kg、75kgの場合は7.5kg相当です。

さらに、うつむく角度によっては10%以上の重さが肩甲骨周辺の筋肉や骨に負荷がかかることになります。

【うつむく角度と肩甲骨への負担】
・うつむく角度が0度の場合:5kg
・うつむく角度が30度の場合:18kg
・うつむく角度が45度の場合:24kg
・うつむく角度が70度の場合:28kg
※体重50kgを想定

長時間のデスクワークでパソコンに夢中になって姿勢を悪くして座っていたり、前屈みになってスマホをいじり続けていたりすると、猫背になりやすいです。

猫背になると、肩・背中・腰にかけて負荷がかかるため、筋肉硬直・血行不良によって、肩甲骨の可動域が狭くなる原因につながります。

そして、猫背を改善しようとしない場合、さらに肩甲骨が硬くなり動きが鈍くなるので、悪化する一方です。

肩甲骨の可動域を広げる自宅トレーニング

肩甲骨の可動域が狭くなっていたり、硬くなっている場合、肩甲骨を正しい位置に戻すために肩甲骨と背骨をつなぐ菱形筋の機能を取り戻す必要があります。

菱形筋が作用しないと肩甲骨が左右それぞれに開いてしまい、僧帽筋が伸びて筋緊張を引き起こし、コリや胸椎の動きを悪くするからです。

チューブやストレッチポールなどの器具を使ったヨガや筋トレ、タオルマッサージやストレッチなどを中心に、自宅でできる効果的な肩甲骨の可動域を広げる方法を見ていきましょう。

手ぶらでできるストレッチ

肩甲骨を意識的に動かすストレッチでは、肩甲骨の動きを滑らかにして、可動域を広げるだけでなく、デコルテがすっきりとする効果が期待できます。

01. 手のひらを内側に向けて腕をピンと上に3秒かけて伸ばす
02. 手のひらを外側に向けて腕を3秒かけてゆっくりとおろす
03. 01と02の動作を10往復行う

一見、腕を上下に動かしているだけのように見えますが、上にあげる時に、肩甲骨の上部の動きを意識し、下に下げる時に、肩甲骨の下部の動きを意識することが大切です。

肩甲骨が体の体幹(中心)に寄っていることが分かれば、胸周りの筋肉が解れ、肩周りの柔軟性が高まり、肩の可動域が広がっていく感覚が分かるでしょう。

タオルを使ったストレッチ

肩甲骨の可動域が狭くなり、ガチガチに固まった肩こりに効果的なタオルを使ったストレッチは、隙間時間を見つけて1日何度でも行うことを推奨しています。

01. 十分な長さのあるタオルを肩幅に持つ
02. 腕までピンと伸ばした状態でそのまま前からまっすぐ上げる
03. 頭の後ろを通すようにして首の後ろにタオルを下ろす
04. 02と03の動作を10往復ゆっくりと行う

タオルを下ろすときに頭を固定して動かさないように意識することで、肩の可動域を広げるストレッチとして効果が期待できます。

このタオルを使ったストレッチは、開いたまま固まった肩甲骨をリセットする上で、最も効果的であると言われているので、職場や学校でもタオルを持ち込んで頻繁に行いましょう。

器具なしヨガで肩の伸縮性を広げる

長時間のデスクワークやリモートワークによる疲労が溜まっている場合は、丸まった背中を本来あるべき状態にリセットするストレッチが効果的です。

01. 腕を上げて両手のひらを壁につける
02. 腕を伸ばしたまま胸を壁につけて背中をぐっとそらす
03. 02の状態で5秒キープして01の姿勢にゆっくり戻す

この時、体の正面にある壁とは30cmほど離れた位置に立ち、お尻が下がらないよう鏡などでチェックすることをおすすめします。

背中そらしストレッチは、効果に即効性があるので、肩甲骨の可動域を広げるだけでなく一気に体全体に血が巡り、集中力向上効果もあり。

特にデスクワークでパソコンに向かって前屈みになる姿勢が長時間続いていると、肩甲骨以外に胸椎まで固まり、体幹全体の不調につながるので、お試しください。

ただ、肩甲骨に負担をかけすぎて痛みが症状として出ている場合に、このストレッチは刺激を与えてしまうのでおすすめしません。

肩甲骨の痛みがなくなってから背中そらしストレッチをトライしてみましょう。

チューブを使って筋力アップ

チューブを使ったストレッチは、チューブの抵抗によって負荷がかかるので、肩甲骨の可動域を広げるためにより高い効果を期待できます。

チューブは伸縮性があるので、負荷の調整がしやすい器具なため、初心者や体を動かす習慣の少ない人でも利用しやすいです。

また、肩甲下筋など、パドリングの持久力に必要な肩甲骨周りの深部にある細かい筋肉を鍛えられます。

01. チューブの中に指以外の指4本を入れた状態でセット
02.  両手を体の前に持ってきて脇を締め、背筋を伸ばす
03. 両手に力を入れて、左右それぞれ外側に引っ張る
04. ゴムチューブを伸ばして縮める動作を20回繰り返す

肩甲骨の可動域が狭くなっている場合は、ゴムを広げる幅は大きくなりにくいですが、繰り返し行ううちに、幅が広くなっていくでしょう。

無理にゴムチューブを伸ばすことを意識してしまうと、肩に力が入り肩甲骨が縮こまり、可動域を広げることの妨げに繋がります。

初めのうちは、チューブを大きく広げることができなくてもいいので、肩の力を抜いて肩甲骨周りの筋肉が動いていることを意識しましょう。

ストレッチポールでインナーマッスルの動きを広げる

ストレッチポールは、器具なしのストレッチや他の器具を用いたエクササイズではできない「リラクゼーションエクササイズ」を行えます。

ストレッチポールを使うメリットとして、

・アウターマッスルが緩み、インナーマッスルが動き関節の動きを促進させる
・小さな揺らぎでリラックス効果をもたらす
・歪みがちな背骨を本欄あるべき姿勢に戻す

などがあり、肩甲骨の可動域を広げる肉体改善と精神的なリラックス効果を同時に期待できるでしょう。

01. ストレッチポールを体幹に合わせて仰向けに寝転ぶ(膝は90度にして立てる)
02. 両腕を横に伸ばして90度の角度で上に向けてセット
03. 左右の腕を上下にパタパタと10回動かす

体幹を左右にぶらつかせずに固定するために、股関節あたりから下半身でしっかりと踏ん張ることで安定感を保てます。

日常生活を見直して身体の動きを広げる

自宅トレーニングを継続して行うことで肩甲骨の可動域を広げることができますが、一度のトレーニングですぐに改善されることは基本的にありません。

長時間のデスクワークでずっと姿勢を意識することは難しいかもしれませんが、食事の時間、通勤・通学の電車の中で姿勢を正すだけで肩甲骨の可動域を広げることができます。

また、運動不足や冷え性も体の不調を引き起こし、肩甲骨がガチガチに固まってしまうので、散歩をしたり、歩く時間を増やしたり、湯船に浸かることもおすすめです。

器具を用意したり、自宅でトレーニング時間を設けても続けられないという人は、日常生活のふとした瞬間の生活習慣を見直してみましょう。

自分でできない時はプロに頼むのもおすすめ

基本的に肩甲骨の可動域を広げるためには、自宅のトレーニングやストレッチを習慣化するだけで十分です。

ストレッチは、血行をよくしたり、リラックス効果をもたらしたりしてくれるので、肩甲骨の可動域を広げる目的以外のメリットもたくさんあります。

しかし、ストレッチや筋トレなどの自宅トレーニングでは限界があり、長く続けても肩の痛みや疲労などの症状が解消されない場合は、整骨院の受診を検討しましょう。

整骨院は、「柔道整復師」と呼ばれる国家資格取得者が施術を行う医療機関ですので、正しい知識を持った施術者から診察・治療を受けることができるので安心です。

また、整骨院は医療機関のため、診察・治療は保険が適用されるため安価だったり、必要に応じて大きな病院に紹介状を書いてくれたりします。

「肩甲骨剥がし」と「筋膜リリーズ」は、肩甲骨の可動域を広げる治療として知られているので詳しくみていきましょう。

肩甲骨剥がしで可動域を広げる

肩甲骨剥がしは、肩甲骨周辺の筋肉をほぐしてあげることで肩甲骨の動きをスムーズにして可動域を広げます。

20〜60分の施術時間を要し、2,000円〜5,000円が料金相場となっています。

1度の施術を受けるだけで、セリフストレッチをするよりも肩甲骨の可動域は大幅に広がる効果が期待できるでしょう。

筋膜リリーズで可動域を広げる

筋膜リリーズは、押したり揉んだりするのではなく、「面」に沿って圧を加えて伸ばしながら肩甲骨の可動域を広げます。

ガチガチに固まった肩甲骨は、癒着して歪んだ筋膜が密集している状態なので、ぐちゃぐちゃに絡まった糸を解いていくようなイメージです。

約30分の施術時間を要し、保険込みで3,000円〜10,000円が料金相場となっています。

継続的に施術を受けると、肩甲骨の可動域は広がり日常生活やスポーツ・運動の趣味に良い影響があるため、通院する頻度を期間を医師と相談して決めましょう。

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