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捻挫を早く治すための治療法・気をつけるべきポイントを解説
「段差につまずいて足首がグキッ!」
「転んでとっさに手をついたら手首がグキッ!!」
日常生活でよく使う部分に限って起こってしまう、この「グキッ=捻挫」。早く治したいですよね。
捻挫は「たかが捻挫」「無理に使わなければ治るだろう」と、湿布や痛み止めでセルフケアをする人が多いのですが、実は早く治すためには初期治療が大切です。
適切な治療を受けないと癖になりがちで、長年の痛みの原因が昔の捻挫だった、ということもありえます。
捻挫になったら軽視したり自己判断で放置したりせずに、必要に応じて早めに専門家に相談しましょう。
捻挫とは
捻挫を早く治すためには、まず、捻挫とは何かをきちんと理解することが大切です。
捻挫とは、関節に許容範囲を超えた無理な負荷がかかることによって、骨と骨を繋いでいる靭帯や腱、軟骨や筋肉が、伸びたり切れたりして損傷することをいいます。
ただ、損傷といっても、捻挫はエックス線では確認ができません。エックス線で確認ができるのは、骨が折れる骨折や、骨と骨を繋いでいる関節が本来の位置からずれる脱臼です。
ですので、エックス線に異常がみられない関節のケガは捻挫という診断になります。
捻挫の種類
ひとくちに捻挫といっても、発生する部位や種類はさまざまです。詳しく見ていきましょう。
捻挫の部位
捻挫は関節のケガなので、体内の全ての関節で起こりえます。
最も捻挫の発症率が高いのは足首、他に捻挫になりやすい部位は、手首や指、肘、膝などの手足の関節ですが、首の寝違えやむち打ち症、ぎっくり腰なども捻挫のひとつです。
捻挫の種類
捻挫にはどのような種類があるのでしょうか。ここでは、部位別の主な捻挫を上半身から順にみていきましょう。
頸椎(けいつい)捻挫
朝起きたら首が動かせなくなっている寝違えや、交通事故や転倒の衝撃によって引き起こされるむち打ち症は、首=頸椎部分の捻挫です。
首には神経が集まっており、首の痛みは自律神経の乱れの原因となるため、頚椎の捻挫から頭痛、肩こり、吐き気、めまい、手足のしびれなど他の症状が出てくることがあります。
手関節(しゅかんせつ)捻挫
手関節(しゅかんせつ)捻挫は、手首の捻挫のこと。転んで手を強くついたりひねったりして、手首の靭帯やその周辺組織が炎症や損傷を起こした状態です。
指関節捻挫
指関節捻挫は、いわゆる突き指です。
靭帯や腱の損傷箇所によって、指が完全に伸びなくなる『マレットフィンガー(槌指/つちゆび)』や、逆に完全に曲がらなくなる『ジャージーフィンガー』など、指の変形を引き起こすことがあります。
肘関節捻挫
肘関節捻挫は、肘関節を保護している軟部組織(靭帯や軟骨)または周辺の筋肉、腱が損傷している状態です。
症状を引き起こす原因によって、「野球肘」や「テニス肘」と呼ばれる場合もあります。
腰椎(ようつい)捻挫
腰椎(ようつい)捻挫は、ぎっくり腰や急性腰痛症と呼ばれます。
不自然な体勢で重いものを持ちあげたり、体をひねったり、または交通事故に遭ったりすることが原因で、痛みが突然起こることが多いです。
膝関節捻挫
膝関節捻挫は、膝の関節に大きな力が加わって、関節や周辺組織が損傷した状態を指します。
膝関節の中には前十字(ぜんじゅうじ)靭帯、後十字(こうじゅうじ)靭帯、外側副(がいそくふく)靭帯、内側副(ないそくふく)靭帯があり、また大腿骨と脛骨の間には半月板があるため、症状に応じてどの組織がどの程度損傷しているかの検査が必要なときがあります。
足関節捻挫
足関節捻挫は、足首の捻挫のことで、日常生活においてもスポーツにおいても非常によくみられます。内反捻挫と外反捻挫の2種類があり、発症例が多いのは内反捻挫です。
内反捻挫は足関節を内側にひねることによって起こり、足関節外側の前距腓(ぜんきょひ)靭帯や踵腓(しょうひ)靭帯が損傷します。前距腓靭帯の損傷例が最も多いです。
外反捻挫は足首を外側にひねったときに発生し、足首の内側についている前脛距(ぜんけいひ)靭帯や後脛距(こうけいひ)靭帯などの靭帯を損傷します。
どこの部位の捻挫かが特定できたら、つぎは症状を確認しましょう。
捻挫の症状の重症度について
捻挫は重症度によって、次の3段階に分類されます。
重症度 | 損傷状態 | 症状 |
第一度(軽度) | ・靭帯の軽度の伸長や微細な断裂 | ・軽い痛み ・軽度の腫れ ・関節の不安定性(ゆるみ)はない |
第二度(中等度) | ・靭帯の部分断裂 | ・うずくような痛み ・広範囲の腫れ ・関節の不安定性はほとんどない ・軽い皮下出血 |
第三度(重度) | ・靭帯の完全断裂 | ・激しい痛み ・ひどい腫れ ・関節の不安定性がある ・大量の皮下出血 |
捻挫の応急処置
捻挫になったときは、とにかく応急処置をすることが大切です。
これは、損傷を悪化させずできるだけよい状態を保つためで、適切に応急処置をすることで症状の悪化を防ぐことができ、早期回復を助けます。
RICE(ライス)療法
応急処置の基本はRICE(ライス)療法です。4つの応急処置の頭文字からこの名がついています。
- R=REST(安静にする)
捻挫をしたら、患部を無理に動かさずできるだけ安静に過ごしましょう。必要に応じて患部を固定します。 - I=ICE(冷却する)
次に、患部の炎症をおさえ痛みを和らげるために、患部を冷やします。氷水を入れたバケツ、氷を入れたビニール袋、冷却スプレーや保冷パックなどを、部位と状況によって使い分けるといいでしょう。冷却の目安は15~20分です。痛みがひかない場合は、休憩を入れて繰り返します。冷却の際は凍傷に注意してください。 - C=COMPRESSION(圧迫する)
腫れや内出血を抑えるために、伸縮性のある包帯やテーピングで軽く患部を圧迫します。強く巻き過ぎると血液循環が悪くなるので、しびれるようであれば圧迫をゆるめてください。 - E=ELEVATION(高く挙げる)
内出血や腫れ、うっ血などを防ぐために、患部を心臓より高い位置に挙げて保ちます。椅子やクッションに患部を乗せておくといいでしょう。
応急処置での注意点
応急処置の際は、以下の点に注意しましょう。
- できるだけ早い段階でRICE療法をする。
- すぐにRICE療法ができない場合、まずは安静を保つ。
- 冷却する際に凍傷に注意する。
- 圧迫の際は皮膚の色やしびれに注意して圧迫しすぎない。
応急処置・RICE療法を行ったあとは、たとえ痛みや腫れが落ち着いたからといって安心せず、軽症・重症に関わらず専門家の診察を受けましょう。
捻挫の治療はどこで診てもらうのがおすすめ?
捻挫をしたときは、基本的には専門機関の受診をすることをおすすめします。
軽症だからと放置をして患部をかばったために身体の他の部分に歪みが生じたり、捻挫だと思っていたら靭帯の損傷以外に骨折や脱臼を起こしている場合があるからです。
重症度に応じて整骨院か整形外科で診てもらいましょう。
整骨院
重症度第1~2度の捻挫で、RICE療法でいったん痛みや腫れがやわらいだ場合、まずは整骨院を受診するのがおすすめです。
整骨院では手技を用いて筋肉や関節に働きかける施術が受けられます。また、施術メニューによっては、痛みを和らげるために鍼灸治療や超音波療法が受けられるところもあります。
整骨院で対応できない状況が疑われる場合は、整形外科医などの提供医療機関に紹介してもらえることが多いです。
整形外科
重症度2~3度の捻挫で、RICE療法を行っても痛みや腫れが収まらず関節が不安定でぐらぐらする場合、また、1~2週間安静にしても症状が改善しない場合は、靭帯の損傷が疑われます。
靭帯が損傷しているかどうかを確認するにはレントゲンや超音波で検査する必要があるので、整形外科の受診が必要です。
捻挫の治療法
捻挫の治療法は程度によって異なりますので、整骨院であっても整形外科であっても、まずは捻挫の重症度の診察、関節の可動域や不安定性の確認を行います。
整骨院では、腫れが残っている場合は患部を避けてマッサージを行い、その後物理療法(超音波等)で痛みや炎症を抑える治療を行うのが一般的です。
患部をかばって身体の他の部分が歪んだり、負荷がかかって凝り固まっている場合には、その部分にアプローチする方法が選ばれます。
整形外科では、レントゲンやエコーで靭帯や腱などの組織の状態を確認し、関節の不安定性がそれほど強くない場合は副木やギブスなどで固定して保存する治療を、不安定性が強い場合には手術を行う場合もあります。
捻挫を早く治すためには?
捻挫を早く治すために必要なポイントをいくつかご紹介します。
- まずは安静、固定
- 軽症の場合でも自己判断せずに整骨院などで診断してもらうこと
- 圧迫サポーターなどを効果的に利用して、むくみによる血行不良を防ぐ
- 関節を安定させるために、関節周りの筋肉を鍛える
- 飲酒は避ける
軽度の捻挫だからといって甘く見ず、正しくケアすることが大切ですよ。
「たかが捻挫」は禁物!応急処置と適切な治療で早期治療を
今回の記事では、捻挫を早めに治したい人に向けて、以下の内容をお伝えしました。
- 捻挫とは
- 捻挫の種類
- 捻挫の症状の重症度について
- 捻挫の応急処置
- 捻挫の治療はどこで診てもらうのがおすすめ?
- 捻挫の治療法
- 捻挫を早く治すためには?
捻挫は初期に必要であれば固定するといった適切な治療を受けないと、早めに治らないどころか、靭帯などが伸びたままになります。
そうなると、関節が不安定で踏ん張りがきかず、再度捻挫したり、より大きなケガに繋がったりします。
受傷時の痛みや腫れがひいても、「たかが捻挫だし」と自己判断で放置をせずに、まずは整骨院できちんとした判断と適切な初期治療を受けるようにしましょう。