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交通事故の治療を保険の慰謝料で整骨院に通う際の注意点まとめ
「交通事故にあってしまい、むちうちの治療を受けたい…」「交通事故後に身体が痛いけど、病院の検査では異常なしだと言われた…」
このような状況のときに思い浮かぶのが、整骨院(接骨院)の存在でしょう。
しかし、なかなかない経験のため、交通事故の治療で整骨院に通う手順がわかりませんよね。
また保険のこともあるので、「できることなら慰謝料で整骨院に通いたい」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、このようなお悩みを解決するべく、交通事故の治療を保険の慰謝料で整骨院に通う際の注意点についてまとめました。
交通事故に遭ってしまった時に確認すること
交通事故に遭ってしまった時には、以下の2点を確認することが大切です。
- 相手の保険会社の確認
- 自分の保険会社への手続き方法
相手の加入している保険によって、治療費を保証してくれる額が変わります。
以下で、交通事故に遭ってしまった時に確認することに関して詳しくまとめました。
相手の保険会社の確認
事故のあとは、相手が任意保険に加入しているかを確認しましょう。
相手が任意保険に加入していないケースや、次の年から保険料が上がることを嫌がって使用してくれないこともあります。
このような経緯で相手が任意保険を使用してくれない場合は、自賠責保険を利用することになります。
自賠責保険とは、被害者本人が被害者請求という手続きを取る方法です。
被害者本人が治療費を払ったあと、相手に請求することもできます。
このような手続きを考えている場合、事故に関連する領収書や明細書を保管しておくことが大事です。
さまざまなケースが想定されるので、まずは保険会社に連絡をしておきましょう。
自分の保険会社への手続き方法
自分の保険会社へ連絡をすることで、自分の自動車保険についている人身傷害保険で治療費が支払えるようになります。
もし連絡を忘れると、本来受けられるサービスが受けられなくなる可能性があるので、注意しましょう。
また、保険会社の担当者から事故後の対応についてアドバイスを受けることもできるので、気になることは聞いてみることをおすすめします。
任意保険と自賠責保険の違い
任意保険と自賠責保険の違いは、下の表の通りです。
任意保険 | 自賠責保険 | |
加入方法 | 任意 | 義務(強制的に加入している) |
保障の範囲 | ・相手と自分の死傷、車、モノの保障が可能・示談交渉をしてくれることも | ・死傷のみ・損害:120万円まで・死亡:3,000万円まで・後遺障害:4,000万円まで |
手続きの優先順位としては、まず相手の任意保険が利用できるか確認します。
それができない場合は、自賠責保険を使うことになりますので、自分の健康保険で立て替えることを検討しましょう。
保証金も違ってきますし、できるだけ利用できる制度は使えるように、しっかりと確認しておくことが大切です。
交通事故に遭ったあとは速やかに病院で検査を
交通事故に遭ったあとは、5日以内に病院で検査をしてもらいましょう。
これは、交通事故の直後は興奮状態になっていて、痛みに気が付かないことが多いためです。
交通事故後は、翌日以降に首が痛くて動かせなくなる「むちうち」が現われるケースがよくあります。
なお、むちうちは交通事故による強い刺激で起こります。
以下のような症状があれば、むちうちである可能性が高いでしょう。
- 首が痛い
- 肩や背中が凝っている
- めまい、吐き気
- 足や指先の麻痺
- だるくて疲れやすい
上記のような症状は、レントゲンやCTといった病院の検査では発見しにくいため、病院では「異常なし」と言われたあとでも、むちうちの症状が現われるケースもあります。
むちうちの症状が出てきた場合は、後遺症を残さないためにも、病院を受診し、気になる点や痛みについて相談しましょう。
もし医師に適切な処置をしてもらったあとでも、痛みや違和感が残る場合は、整骨院での治療をスタートしてくださいね。
むちうちの治療期間
むちうちの治療期間は、一般的には1~3か月です。
一般社団法人JA共済総合研究所が公開しているデータでも、むちうちの平均治療期間は入院患者全体で73.5日と言われています。
以下の表で、治療期間に対する累積治癒率についてまとめました。
治療期間 | 蓄積治癒率 |
1か月以内 | 39.8% |
2か月以内 | 57.1% |
3か月以内 | 71.1% |
4か月以内 | 80.8% |
5か月以内 | 85.7% |
6か月以内 | 90.3% |
参考:『交通事故によるいわゆる“むち打ち損傷”の治療期間は長いのか―損害賠償を含む心理社会的側面からの文献考証―』 P103 一般社団法人 JA共済総合研究所
上記のように、半年以上で90%以上の人が治っている、というデータがあります。
ただし、被害者の年齢やけがの度合いによっても変わってくるので、具体的な治療期間については病院での説明を受けましょう。
交通事故後に整骨院へ通院するまでの手続き
交通事故後に整骨院へ通院するまでの手続きの流れは、以下の通りです。
- 病院を受診して診断書をもらう
- 保険会社に整骨院に通院することを連絡する
- 整骨院に通院するには病院もしくは整形外科の診断名をもらう
交通事故後は、まず病院を受診することが必要です。
病院に行かないと、診断書を発行してもらえなかったり保険が降りなかったりします。
交通事故の直後は痛みがなくても、翌日以降に痛むことが多いので、すぐに病院に行くようにしてくださいね。
病院に受診して診断書をもらう
まずは、病院で医師の許可をもらいましょう。
いきなり整骨院に通うのは、以下のようなリスクが考えられるため、おすすめできません。
- 保険会社から治療費が払われない
- 急性の治療や検査に対応してもらえない
- 重大な症状を見過ごされてしまう
- 後遺症があっても後遺障害認定を受けられない
上記のようなリスクがあるので、交通事故に遭ったあとは必ず整形外科を先に受診して診断書をもらいましょう。
また、診断書を発行できるのは医師のみです。整骨院では診断書を発行できないので注意してください。
また、事故証明に書いてある部分か、医師の証明した部分以外は認められないケースもあります。
交通事故に遭ったあとは、痛みや違和感のある部分について全て伝えることが大切です。
後遺症や小さな違和感を見つけてもらうためにも、交通事故に遭ったあとは整骨院より先に病院へ行くようにしましょう。
保険会社に整骨院に通院することを連絡
保険会社に整骨院に通院することを連絡しておくことで、治療費に関してのトラブルを防止できます。
保険会社に無断で整骨院に通院すると、最悪の場合は保険負担で治療費が支払われないケースがあるためです。
保険会社に整骨院の利用を断られたら、自分の健康保険で治療を継続することになります。
あとで自己負担分の治療費を保険会社に支払ってもらえないか、交渉することが必要になるでしょう。
さまざまなケースが想定されるので、まずは保険会社に連絡をしておくことが大切です。
整骨院に通院するには病院もしくは整形外科の診断名をもらう
整骨院に通院するには、事前に病院もしくは整形外科の診断をもらっておくことで、治療費のやり取りがスムーズになることが想定されます。
慰謝料や治療に必ずしも必要ではないと保険会社に判断されると、整骨院の利用を断られることがあります。
そのため、事前に医者から整骨院の受診に関しての許可をもらっておくと安心でしょう。
繰り返しになりますが、まずは整形外科で診断名をもらっておくことが大切です。
そのあとに整骨院を来院するようにすると、治療費や保険料のことで揉めずに進められますよ。
交通事故後の整骨院治療でよくある質問
交通事故後の整骨院治療でよくある質問として、以下のような項目があります。
- 加害者でも治療を受けられますか?
- 自損事故でも治療できますか?
- 事故から時間が経っているけど治療できますか?
以下で、交通事故後の整骨院治療でよくある質問に関してさらに詳しくまとめました。
加害者でも治療を受けられますか?
加害者でも自賠責保険や任意保険を利用することで、窓口負担0円で治療を受けられるケースもあります。
ただし、加害者の場合は利用できる保険や自己負担額が変わってくる可能性があります。
自己負担額については、以下の表を参考にしてください。
過失割合 | 自己負担額 | 治療方法 |
6割以下 | 0円 | 相手の自賠責保険 |
7割以上 | 重大な過失なので、負担額が増加 | 相手の自賠責保険 |
10割 | 保険会社によって異なる | 自動車保険の特約(人身傷害補償) |
上記のように、加害者でも過失割合によって自己負担額が変わってきます。
交通事故に遭ったら、いち早く治療をすることが大切なので、あなたが加入している自動車保険の内容を確認しましょう。
自損事故でも治療できますか?
自損事故でも、加入している自動車保険のオプションに人身傷害特約か人身傷害補償が付いていれば、自由診療基準で治療ができます。
なお、電柱やガードレールにぶつかった場合など、単独で起こした事故に関しては、運転者本人に自賠責保険は適用されません。
事故から時間が経っているけど治療できますか?
事故から時間が経っていても、整骨院で治療はできます。
ただし、保険の利用や賠償金額を左右する「後遺障害診断書」は降りない可能性が高いでしょう。
事故の直後に病院や整骨院に行っていなくて、2週間後に来院しても、事故との因果関係が証明しにくいからです。
保険を利用したい場合は、1週間以内に病院か整骨院に行くことをおすすめします。
交通事故のあとは、病院に行ってから整骨院へ
交通事故後に痛みや違和感がある場合、治療で整骨院に通うことができます。
ただし、保険で通うにはまず医師の診断をもらうことと、保険会社へ連絡することを忘れないようにしましょう。
必要な手続きが済んだあとは、国家資格「柔道整復師」の資格を持った、信頼できる接骨院・整骨院に通うことをおすすめします。
無資格の整体院やカイロプラクティックに通ってしまうと、保険が適用されないため料金が自己負担となり、慰謝料を払ってもらえないことが多いので、注意してください。
正しい手順で病院や整骨院を受診して、保険の慰謝料で治療をしましょう。