妊娠高血圧とは？予防や治療で母子共に健康に！

2022年1月29日

「妊娠高血圧を発症しないか心配……」

このようなお悩みがあるとき、どのように妊娠高血圧を予防すればいいのか疑問に思いますよね。

正しい妊娠高血圧における対処法を知っておきたい方も、多いのではないでしょうか。

本記事では、このようなお悩みを解決すべく、妊娠高血圧の予防法・治療法についてまとめました。

妊娠高血圧とは？

妊娠高血圧とは、妊娠をしているときに高血圧を発症した場合を指します。妊娠高血圧は妊娠している人の約20人に1人の割合で発症します。

以前は妊娠高血圧は妊娠中毒という名前で呼ばれていました。高血圧、尿蛋白、むくみのどれかひとつ症状があれば妊娠中毒と診断されていたのです。

しかし、現在はむくみは外されて、高血圧を重視した「妊娠高血圧症候群」という病名になっています。

妊娠高血圧は妊娠前の高血圧に関係なく、誰にでも起こり得る病気です。お母さんは自分に何か原因があったのかと責めすぎずに、医師に相談しながら治療を進めていきましょう。

以下で、高血圧合併妊娠と妊娠高血圧腎症との違いについて解説しました。

高血圧合併妊娠と妊娠高血圧腎症との違い

高血圧合併妊娠と妊娠高血圧腎症との違いは、以下のようになっています。

	高血圧合併妊娠	妊娠高血圧	妊娠高血圧腎症
何週目か	妊娠20週まで	妊娠20週以上	特になし
症状	高血圧	高血圧	高血圧、蛋白尿

いずれにしても、治したい場合は主治医と相談することが大切です。

以下で、蛋白尿の基準について詳しくまとめました。

蛋白尿の基準

必要以上のたんぱく質が出てしまう「蛋白尿」の基準は、以下のようになっています。

	妊娠高血圧腎症	妊娠高血圧腎症の重症
収縮期血圧	140mmHg以上	160 mmHg以上
拡張期血圧	90mmHg以上	110 mmHg以上
尿中の蛋白（1日あたり）	0.3g以上	2g以上

2018年からは蛋白尿と診断されなくても、肝機能障害、腎機能障害、神経障害、血液凝固障害と診断されるか、赤ちゃんの発育がうまくいかなければ妊娠高血圧腎症と言われるようになりました。

蛋白尿の基準に当てはまる方は、病院でしっかりと治療を受けてくださいね。

以下で、妊娠高血圧の原因について解説します。

妊娠高血圧の原因

妊娠高血圧の原因は今のところ分かっていません。最近の研究結果によると、妊娠高血圧の原因は、さまざまな物質を必要以上に作ってしまっていることだと考えられています。

余計に作られた物質のひとつが血管に影響を与えて、妊娠高血圧になっていることも。その場合は胎盤が正しく作られていないことが多いです。

ほかにも妊娠高血圧の原因として体質や高血圧も考えられています。しかし、はっきりとした原因も分からず、誰にでもなりやすい病気なので、ご自身を責めないでくださいね。

妊娠高血圧によるリスク

妊娠高血圧が重症化すると、以下のようなリスクが発生することもあります。

お母さんの状態	・血圧上昇・けいれん発作・脳出血・肝臓・腎臓の機能障害・HELLP症候群（肝機能障害・溶血・血小板減少を伴う）
赤ちゃんの状態	・発育が悪くなる・胎盤が子宮の壁からはがれて、酸素が届かなくなる・亡くなってしまう

上記のように重症化すると母子ともに危険な状態となります。特に、妊娠34週未満で妊娠高血圧になったときは、重症化しやすいので注意してくださいね。

一般的に妊娠高血圧による症状は出産をすると改善します。

しかし、一度妊娠高血圧になると、高血圧や脳卒中、それから心筋梗塞やメタボリックシンドロームを発症しやすいことが分かっています。

高血圧や脳卒中などの病気を防ぎたい場合は出産後も、長期間にわたって病院で定期的な検査を受けるようにしましょう。

妊娠高血圧の予防法

妊娠高血圧の予防法は、検診を受けて適切な周産期管理をすることが最も確実だと言われています。妊娠前であれば以下のような高血圧予防法がおすすめです。

塩分は1日6g未満
アルコールは1日10～20ml以下（エタノールで）
ややきついと感じる程度の有酸素運動を、毎日30分以上
適正体重を維持する
野菜・果物を多めに食べる
禁煙

上記を参考にして生活習慣を改善しましょう。特に、妊娠高血圧を防ぐためには食事内容に気を付けることが大切です。

すでに高血圧になっているときは、血圧を下げる薬が必要になることもあります。妊娠高血圧を改善する手段として降圧薬を使用するかは、医師と相談をして行うようにしてくださいね。

妊娠高血圧でやってはいけない予防法

妊娠高血圧でやってはいけない予防法は、以下のようになっています。

水分摂取制限
利尿剤を飲む
過度の塩分摂取

このような行動は、以前は効果があると言われていたものもあります。しかし、逆に血栓症のリスクを高めるとの声もあるため気を付けましょう。

正しい妊娠高血圧の予防法は、主治医に尋ねてから行うようにしてくださいね。

妊娠高血圧の治療法

妊娠高血圧の治療法は、以下のようなものがあります。

安静
入院
薬

妊娠高血圧において薬は、けいれん予防や重症化した高血圧を改善するために使用されることが多いです。妊娠高血圧で血圧を下げる薬は医師の判断のもと、慎重に使用されます。

お母さんと赤ちゃんにとって高血圧のまま妊娠を続けると、命の危険があることも。

その場合は早産になっても出産を行うことで、お母さんの症状が改善するケースが多いです。

しかし、妊娠高血圧が重症化した場合は、出産後も高血圧や蛋白尿が悪化することもあるので注意しましょう。高血圧や蛋白尿を酷くならないようにするために、出産後も定期的な通院を行うことが大切です。

産後骨盤矯正もおすすめ

出産後に産後骨盤矯正をすると、スタイルアップや体調改善の効果が期待できます。

出産後は、妊娠高血圧が改善しても骨盤のゆがみによって、さまざまな不調が起こることも。

妊娠の後半に分泌されるリラキシンというホルモンには、骨盤の骨と骨をつなぐ組織「靭帯」をゆるめる作用があります。そのため、出産前後は骨盤がとても歪みやすい状態になっているのです。

以下で、骨盤の歪みにおける症状について解説しました。

骨盤の歪みにおける症状

出産後における骨盤の歪みやズレを放置すると、以下のような症状が起こりやすくなります。

骨盤の歪み・ズレのタイプ別に、起こる原因と症状を分かりやすく表にまとめました。

	開きタイプ	傾きタイプ	ねじれタイプ	前屈・高屈タイプ
原因	内臓が下がっている	左右バランスが悪い	ねじれた骨盤が筋肉や内臓を引っ張っている	骨盤が前や後ろに傾いている
主な症状	・下半身太り・むくみ・冷え性	・体型崩れ・外反母趾・背骨の変形	・不妊症・肩こり・腰痛・頭痛	・前に傾く→出っ張りお尻・後ろに傾く→ぽっこりお腹

上記のように骨盤のゆがみを放置していると、太るだけでなくさまざまな体調不良を引き起こします。

出産後に骨盤のゆがみを矯正したい場合は、整骨院を受診するようにしましょう。