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お尻や下半身が痛い妊婦さんは坐骨神経痛が原因かも!?治療や対処法は?
年齢や性別問わず、多くの人の悩みの種となっていますが、中でも妊婦さんが発症しやすいと言われている坐骨神経痛。
「妊婦になったばかりだけど、仕事に集中できないほど体がズキズキと痺れる…」
「赤ちゃんが大きくなるにつれて腰の痛みが増してキツすぎる…」
「妊婦期間を終えてもお尻の激痛が続いている…」
「神経痛が酷くてイライラする…」
などの症状で悩む妊婦さんたちは、坐骨を上手に使った座り方・寝方などの基本的な痛みの対策から専門医に相談して治していく方法を知ることで、神経痛を緩和しストレス軽減する事ができます。
この記事では、坐骨神経痛について坐骨神経の仕組み、痛みや痺れが生じる原因と主な症状、対処法について詳しく解説していきます。
マタニティ期間で坐骨神経痛に悩んでいる妊婦さんでも安心してできる痛みを緩和できるマッサージ・ストレッチも紹介しているので参考にしてみてください。
妊婦が坐骨神経痛になりやすい原因
妊娠中に坐骨神経痛を発症して悩んでいる妊婦さんも多くいらっしゃることでしょう。
坐骨神経痛を引き起こす原因について理解するために、まずは「坐骨神経」について解説します。
坐骨神経痛の基本情報
「坐骨神経痛」は、病名と思われがちですが、お尻から足につながる坐骨神経に沿って”痛み”や”痺れ”が続く症状の総称を指します。
坐骨神経とは、坐骨(椅子に座った時に前後左右に揺れた時、シートに一番当たっている感覚のある部分)からおしりの筋肉「梨状筋(りじょうきん)」を通り足につながる末梢神経のことを指します。
脳と脊椎から構成される「中枢神経」と「体の各部」を結ぶ役割を担っている末梢神経は、体を自由自在に動かしたり、温度を感じる伝導路として以下の3つの神経で構成されています。
- 運動神経(体や内臓の筋肉を動かすために信号を脳から全身に送り、随意運動を引き起こす末梢神経)
- 知覚神経(感覚器官で受信した刺激を中枢に伝達する末梢神経)
- 自律神経(内臓・代謝・体温など体の主要機能を24時間コントロールする末梢神経)
人間の下半身の可動域が広かったり、体幹を保って歩けるのは、末梢神経となる坐骨神経が機能しているからなのです。
体のどこにある?
身体の情報伝達を行う神経は、細いイメージを持っている人が多いかもしれません。
ただし、坐骨神経は、末梢神経の中で最も太く、ボールペンほどのサイズで、総腓骨神経と軽腓骨神経に分かれて腰椎から足の指まで約1mほどの長さになっています。
よって、下半身の大部分が繋がっている坐骨神経に何かしらの障害が生じると、神経が通っているおしりや下肢に痛みや痺れが出てくるのです。
妊婦が発症する坐骨神経痛の主な原因は?
坐骨神経痛は、妊娠している女性に起こりやすい症状ですが、年齢や性別関係なく多くの人の悩みの種となっています。
加齢による筋力低下や職業や家事による腰椎の圧迫などが原因で、「腰部脊柱管狭窄症」「腰椎椎間板ヘルニア」を引き起こすケースもあるので注意が必要です。
ここでは妊婦さんが坐骨神経痛になる原因について深掘りして解説していきます。
原因①お腹が大きくなって腰に負担がかかるから
妊婦さんが坐骨神経痛になる原因のひとつとして、「体型の変化」が挙げられます。
妊娠初期から後期にかけてお腹の赤ちゃんがすくすくと育つと、お腹が大きくなり、赤ちゃんの重さを支えるために腰を後ろに反らせるような「反り腰姿勢」になる妊婦さんが多くいます。
反り腰姿勢は、背中や腰の周りの筋肉に負担をかけてしまうだけではなく、背骨のクッション役を担っている椎間板や神経がたくさん通っている脊柱管を圧迫して、坐骨神経痛を引き起こす可能性が高いです。
原因②女性ホルモンによって神経が刺激されやすくなる
妊娠すると、出産準備に入るため骨盤や恥骨結合部を和らげる女性ホルモン・リラキシンが分泌されるようになります。
自然と分泌されるリラキシンによって、産道を赤ちゃんがスムーズに通れるように骨盤が開きます。
それと開くと同時に、周りの筋肉が圧迫され坐骨神経に刺激を与えるため、痛みや痺れを感じるようになるのです。
緩んだ骨盤は固定されずに不安定の状態が続くため、背中や腰への負担が増えるだけでなく、お尻や足の付け根、恥骨にも悪影響を与えてしまうこともあります。
原因③マタニティ期間の精神的な影響
妊婦さんは、妊娠中につわりやお腹が膨らんでいく体の変化など、さまざまな問題に悩まされることによって、不安や緊張などを引き起こしてしまいます。
不安や心配などネガティブな精神は、身体にも影響を与えやすく、特に筋肉を緊張させる可能性が高いです。
筋肉が緊張すると神経にもその異変が伝達され、常に筋肉が張った状態が続き、腰痛や肩こりなどの坐骨神経痛を引き起こすこともあります。
出産を終えても継続して痛みや痺れが続く場合がある
坐骨神経痛の症状は、産後にも続き、妊娠期間中よりも痛みが出やすいと話す妊婦さんも多くいます。
坐骨神経痛は様々な理由で引き起こされる症状ですが、出産後も続く場合は、女性ホルモン・リラキシンの影響が強いと考えられます。
出産が近づくと自然とリラキシンが分泌されますが、陣痛が始まるとリラキシンの分泌量が急増するのが自然です。
骨盤に限らず全身の靭帯結合が開き、赤ちゃんが産道を通れるようにする作用があります。
赤ちゃんがストレスなく産道を通れるように骨盤を広げるホルモンが分泌されるということは、出産を終えれば痛みも緩和されるのかなと考える妊婦さんも多いでしょう。
ただし、実際には妊娠中の妊婦さんより出産後の方が痛みの症状が出やすいとも言われています。
坐骨神経痛の症状
妊婦さんを始めとする多くの人の悩みの種となっている坐骨神経痛の症状とは具体的にどんなものがあるのでしょうか。
まず第一に、坐骨神経痛は「自覚症状」であるため、当事者にしか分からない症状です。
身体の変化に不安を感じたり心配事が絶えない妊婦さんですが、坐骨神経痛の初期症状を見逃さず、対処することで早期回復につながります。
坐骨神経痛の初期症状
妊婦さんは、お腹の中で赤ちゃんが成長するにつれて子宮が大きくなり骨盤が広がるので、腰回りを中心に違和感を感じる事があるでしょう。
- ピリピリ
- ズキズキ
- チクチク
- ジンジン
- ビリビリ
違和感の感じ方は、人それぞれですが、おしり周りから四肢にかけて痺れや軽い痛みが継続的に続いている妊婦さんは、早めに坐骨神経痛を疑いましょう。
妊婦さんの坐骨神経痛では、おしり、太もも、ふくらはぎ、足に痛みや痺れが出る事が多く、上半身や首、顔などは関係ありません。
痛みや痺れの他にも、腫れ、火照り、締め付けなどいろいろな症状が出るので、下半身を中心とした異変には注意が必要です。
その他にも、
- 長時間立っているのがキツい
- 腰をかがめたり反らしたりするとツラい
- 座り続けていられない
- 休みながらでないと歩き続けるのが困難
このような日常生活に支障をきたす症状が続く妊婦さんも坐骨神経痛を疑っていち早く対処するようにしましょう。
初期症状が悪化すると…?
坐骨神経痛は、病名ではなく頭痛や腹痛と同じ「症状名」ですが、この症状を無視し続けると、様々な病気へと発展する可能性があります。
- 頻尿や尿失禁などの排尿障害
- 血流の流れが悪くなることによる便秘
坐骨神経痛が悪化して主に尿や排便などの障害を発症した場合は、手術などが必要になるので産婦人科などの医療機関を受診して診断書をもらうようにしましょう。
妊婦で症状が重いと帝王切開になる?
妊娠中期から後期にかけて、坐骨神経痛の症状が悪化した場合、経膣分娩(けいちつぶんべん)ができなくなると心配する妊婦さんがいます。
結論から述べると、坐骨神経痛によって経膣分娩ができなくなるということはありません。
仮に坐骨神経痛によって痛みや痺れがあり、座れない・立っていられないなどの症状が悪化したとしても、陣痛によって血流の変化は必ず起こるので経膣分娩・自然分娩で出産できます。
ちなみに、帝王切開が必要な妊婦さんは、何かしらの理由で赤ちゃんが産道を通れない、陣痛のストレスが赤ちゃんに影響する可能性がある、短時間での分娩が必要などの理由がほとんどです。
産後も痛み・痺れが続くことはある
妊婦さんは出産準備のために骨盤を開くホルモンが分泌されることで、妊娠期間中に坐骨神経痛を感じやすいですが、実は出産後の方が開いた骨盤が元に戻らず痛みが強くなるケースも多くみられます。
出産を終えて3ヶ月ほどは安静にしていると自然に症状が収まる場合がほとんどです。
もしも、3ヶ月ほど経っても症状の緩和が見られない場合は、マッサージやストレッチをしたり、産婦人科に相談したり、整骨院で骨盤矯正をしてもらうなどの方法で解決に努めましょう。
坐骨神経痛と間違えやすい別の病気
下半身を中心とした痛みや痺れは、坐骨神経痛に限らず他の病気でもみられる症状です。
- 整形外科的脊椎の疾患(腰部脊柱管狭窄症・腰痛椎間板ヘルニア)
- 血管性病変(性動脈性硬化症)
- 腫瘍(脊椎腫瘍・がんの脊椎移転)
- 炎症性疾患(化膿性脊椎炎)
見てわかる通り、坐骨神経痛と似た症状を持つ病気の中には、早期発見による治療を受けないと手遅れになるような重病も含まれています。
そのため、坐骨神経痛の症状が重いと感じた場合は、念のために医療機関を受診して検査などをしてもらうと急激に悪化する心配などがなくなり、安心です。
妊婦が坐骨神経痛になった時の対処法は?
坐骨神経痛が疑われる場合、マッサージやストレッチを通して痛み・痺れを緩和できますが、妊婦さんの場合、自己判断でやってしまうと胎児に悪い影響を与える可能性があるので注意しましょう。
産婦人科に相談する
まず、坐骨神経痛の疑いがある場合は、定期検診などのタイミングで産婦人科の担当医の先生に相談してください。
坐骨神経痛は、外傷ができるものではないので、妊婦さんが直接伝えない限り、先生が気づくことはほとんどありません。
症状がある場合は、自己申告をして度合いによっては、処方箋を出してもらったり、治療をしてもらったり、妊婦さんでも使える塗り薬・湿布などをもらいましょう。
妊婦を受け入れている整骨院に相談する
専門知識を持った人からマッサージ・ストレッチ・ツボなどの施術や骨盤矯正を受けたい妊婦さんは、産婦人科ではなく整骨院に相談してみましょう。
ただし、整骨院ならどこでもいいわけではありません。
妊娠中の女性の検診・治療は、安全性や技術力が保証されている必要があるので、妊娠初期で身体に大きな変化が出ていなくても事前申告をして、妊婦患者さんを受け付けている整骨院を調べて受診してください。
マタニティ整体に対応している整骨院を受診すれば、産婦人科で推奨されているお腹の赤ちゃんに負担をかけない体勢「シムズ位」で施術を行ってくれます。
また、妊娠中に間違った身体の部位にツボ押ししてしまうと、早産につながるリスクがあるので、妊婦さんの検診・治療経験が豊富な整骨院選びをすることが重要です。
妊婦でもできるセルフケアで改善や症状緩和に努める
坐骨神経痛の症状が出た場合、自宅でできる簡単なセルフケアを実践するだけで、症状緩和につながります。
マッサージやストレッチ、ツボ押しをするだけで血流の流れが良くなったり、緊張した筋肉が緩んだりして症状が緩和されることがあります。
ただし、妊婦さんは基本的にお腹を圧迫してしまうようなうつ伏せになることはできないので、横になる動作やお腹を圧迫させない程度でとどめましょう。
あまりにも急激に痛みが出た場合は、効果、副反応、妊娠周期や体質を考慮した上で、市販薬などを服用することも検討しましょう。
母体と胎児への悪影響を避けるためにも、時間や状況的に産婦人科などの医療機関に受診できるのであれば、医師に相談するのがベストです。
座り方や寝方に気をつける
妊婦さんの場合、出産に向けてお腹が大きくなることで坐骨神経痛を引き起こすケースが多いので、筋肉や神経を刺激させないよう日常生活で少し気を使うだけで症状緩和につながります。
座り方のポイント
まず、妊婦さんが坐骨神経痛の痛みを緩和するためには、膝から90度以上の高さがあり、骨盤が前傾になるような椅子を選ぶと良いでしょう。
また低反発のように柔らかいソファーや椅子は腰回りに体重が集中しやすくなるので、高反発のものや硬いタイプを使用するとなお良いです。
椅子やソファーに腰掛けるときは、お腹が圧迫されず腰に負担がかからないよう、正座やあぐらの体勢を作ると負担を減少させられます。
寝方のポイント
左右どちらかに痛みがある方や痛みの強い方を上にして寝ることで症状緩和につながりますが、右を下にする場合は子宮が圧迫されて体調を崩す可能性があるので、定期的に体勢を少しずつ変えましょう。
可能であれば、抱き枕を使ったり、足の間にクッションや布団を挟むだけで、子宮の重さが分散されるので負担を減少させられます。
妊婦もOKな坐骨神経痛改善マッサージ・ストレッチ
妊婦さんでもできるシンプルで坐骨神経痛を軽減させるセリフケア方法をいくつかご紹介します。
ただし、妊婦さんによって骨盤の開き方や坐骨神経痛の症状の感じ方は個人差があるため、これからご紹介する方法が100%安全である保証はありません。
セルフケアを行う際は、自己判断のもと、ゆっくりとレベルをあげて、自分の体と相談しながら行ってください。
テニスボールを使ったマッサージ
坐骨神経痛によって硬直した筋肉を和らげるために、腰からおしりにかけてマッサージをしてあげると効果的ですが、妊婦さんがうつ伏せの体勢になってマッサージをするのは非常に危険です。
そこで役立つのがテニスボールを使ったマッサージ。
- テニスボールを2つ用意する
- 仰向けの状態で、おしりを軽く浮かせる
- 腰と背骨あたりにテニスボールをそれぞれ置く
- 浮かせたおしりをゆっくりと戻してテニスボールをコロコロと動かす
テニスボールにどれだけ自分の体重を預けるかによってマッサージの強さを調節できるので、痛みがある場合は、両ひじで床を支えるようにして体を浮かせてあげましょう。
ツボマッサージ
おしりや足には、筋肉の緊張をほぐしたり、ハリを取るツボがいくつかあるので、気持ちいい程度の強さで押してあげると、坐骨神経痛を緩和できます。
ツボ | やり方 | 効果 |
---|---|---|
坐骨点(ざこつてん) | 左右のおしりで一番高いところの出っ張りで、おしりに力を入れるとくぼむ部分を押す | 股関節周辺の血行をよくしておしりの筋肉の緊張を和らげる |
委中(いちゅう) | ひざの裏の真ん中部分を押す | 足全体に広がる痺れや筋肉の張りを和らげる |
承扶(しょうふ) | おしりと太ももの境目にある部分を押す | おしりや股関節の可動域を広げて痛みを和らげる |
承扶のツボマッサージは、指でおしりを軽く持ち上げるようにしてツボを押したり、おしりと太ももの境目にテニスボールを挟んで座ってみても効果抜群です。
シンプルな前屈ストレッチ
出産に向けてお腹が大きくなる妊婦さんはストレッチをするにもできる体勢が限られます。
そこで、妊婦さんに坐骨神経痛を和らげるために試してもらいたいのが、両足を軽く開脚した状態での前屈ストレッチです。
- 無理のない範囲で開脚をして前屈
- 左右どちらかの足裏を反対足の付け根に持ってくる
- その状態で再び前屈
- 左右の足を入れ替えて同じことを繰り返す
前屈をする時、股関節が伸びているのを感じられるところで止めて、大きくなったお腹が圧迫されないよう注意しましょう。
妊婦さんが湿布を貼るのは危険!
坐骨神経痛がキツくて一時的な痛みの緩和のために湿布を貼りたくなることがあるかもしれませんが、湿布の中には胎児に悪影響を与える可能性があります。
湿布は、外傷を治癒するだけではなく、湿布の表面にコーティングされている薬が毛穴や皮膚を通して吸収され、身体中に流れます。
さらに、妊娠期間中は免疫力が低下しやすい傾向にあるため、坐骨神経痛を和らげるつもりで貼ったのに、かぶれや赤みの原因になり、更なる痛みを発症する可能性が高いです。
また、妊娠後期に禁忌とされる湿布を貼ってしまうと胎児の心臓・血圧異常、羊水減少を起こしかねないので、間違って貼ってしまった場合は、すぐに剥がしましょう。
妊娠中に貼ってはいけない湿布の成分
- ロキソプロフェン
- ケトプロフェン
- インドメタシン
- ジクロフェナクナトリウム
- ケトプロフェンゲル
- ケトプロフェンゲル
- ニプロパッチ
上記の成分が代表例として挙げられますが、これら以外にも妊娠中に不適切なものはたくさんあるので、もしも湿布を貼りたい場合は、薬剤師のいる薬局や医療機関での受診をしましょう。