妊婦に起こる股関節痛の原因・対処法は?

妊婦股関節痛

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赤ちゃんが大きくなるにつれて、体も大きく変化します。その過程で多くの妊婦さんが悩まされることの1つが「股関節痛」です。

「こんなに痛くて大丈夫なの?」「病院に行った方がいいの?」と体の変化に戸惑う妊婦さんも多いのではないでしょうか。

実はこの痛みは、赤ちゃんが大きく成長している証なのです。妊娠後期となると、赤ちゃんとともに子宮も大きくなります。

その過程で子宮を固定する靭帯が急激に伸びることで骨盤にゆがみが出ます。体が赤ちゃんにあわせる過程で痛みが生じているのです。

痛みをなくすことは難しいですが、痛みを緩和することはできます。ストレッチやマッサージが効果的です!

本記事では股関節痛の原因・対処法について詳しく解説します。痛みを軽減させて楽しいマタニティライフを送りましょう!

目次

妊娠中は股関節痛が起こることも

妊娠中に股関節痛が起こることは、妊婦さんの代表的なマイナートラブルです。おなかが目立つようになる中期〜後期にかけて多くの妊婦さんが悩みを抱えています。

以下は妊娠後の経過時期によって生じるトラブル一覧をまとめた表です。

時期症状
妊娠初期(2か月~4か月)・つわり・便秘・下痢・頻尿・恥骨痛、股関節痛
妊娠中期(5か月~7か月)・腰痛・疲れやすくなる・歯や歯茎の不調
妊娠後期(8か月~10か月)・足のむくみ・静脈瘤・股関節の痛み・こむら返り・貧血・便秘、痔・高血圧・妊娠中毒症・胃のムカつき・息苦しさ

痛みや症状には個人差がありますが、妊娠〜出産をするために体が変化することで起こるトラブルです。出産が終われば、自然におさまっていくでしょう。

妊婦で股関節痛が起こる原因

「股関節痛」が起こる原因は2つあります。1つ目は「赤ちゃんの成長過程で起こる体型の変化」、2つ目は「妊娠中のストレス」です。

痛みが続くと不安が大きくなってしまい「夜眠れない…。」など、悩んでいる人も多くいるでしょう。悩みすぎてしまうと痛みの原因の1つである「ストレス」を増大させてしまうため、原因を知ってしっかりと対策を打っていきましょう!

ここからは痛みが起こる原因について詳しく解説します。

骨盤のゆがみや姿勢

妊娠すると出産の準備のため、体から「リラキシン」というホルモンが多く分泌されます。リラキシンは、骨盤周りの筋肉や関節を緩める作用があり、骨盤が開きやすくなります。

筋肉が少ない人は、リラキシンの作用で妊娠初期から骨盤が緩みすぎてしまうことで、骨盤がずれて痛みが出る可能性が高いです。

さらに子宮を左右から固定している靭帯が、子宮が大きくなるにつれてゴムを引っ張るように伸びていきます。靭帯が伸びることで股関節や下腹部周辺に痛みを感じやすくなります。

また、日常生活において以下のような姿勢を取っている場合は、注意しましょう!何気ない姿勢の蓄積が股関節に負担をかけてしまい、痛みが生じる可能性があります。

NGな姿勢

  • 足を組む
  • 横すわり
  • 片足重心で立つ
  • 長時間同じ姿勢でいる
  • 中腰
  • 高いところのモノを取る

ストレス

妊娠による体や体調の変化は、大きなストレスとなります。ストレスは心だけではなく、体にも悪い影響が出やすいもの。

ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、睡眠不足による消化不良、便秘・下痢症状など、さまざまな場所に影響が出ます。

排泄トラブルとなると、長時間トイレにこもるなど同じ姿勢でいることが増えてしまい、腰痛や股関節痛へとつながる恐れがあります。

一人で抱え込まずに、些細なことでも家族や医師に悩みを打ち明けることも大切です。

妊娠中の股関節痛への対処・治療法

妊娠中は関節や筋肉が緩み、骨盤や筋肉に負担がかかります。また、赤ちゃんが大きくなることで、さらにお腹の重みも加わり、肩こりや腰痛などの「痛みを生じるトラブル」が起こりやすくなります。

痛みが生じていても、妊娠中には痛み止めは簡単には服用できません。赤ちゃんへの影響が懸念されるためです。自己判断での市販薬の服用はNGです!

とはいえ、痛みを我慢するのも限界があるでしょう。そこでおすすめしたい対処方法が「ストレッチ」です。

自宅でできるストレッチ

主に腰周りの筋肉をほぐすマッサージをすると、痛みが軽減されやすくなります。また、妊娠中の適度な運動は、肥満を防ぐことにも効果的です。

固まった筋肉をほぐすことで血行もよくなり、体の調子もよくなります。腰痛対策以外にもたくさんのメリットがあります。

以下では自宅で簡単にできる1日1回でOKな「簡単ストレッチ」を紹介します。

開脚ストレッチ

脚を開くと股関節の柔軟性がアップします。腰周りの筋肉が緩み、反り腰が解消されます。

手順
  1. 床に座り、無理のない幅で両脚を広げる
  2. 前・右・左へ順番にゆっくり上半身を倒す、1度深呼吸して戻す
  3. 2.3回繰り返す

背中ストレッチ

お腹が目立つようになると、肩から背中にかけて重くだるい感じがしたら、背中を緩めるストレッチが効果的です。

手順
  1. イスに座り、両指を組み手のひらを外側に向け、腕を伸ばす
  2. 5秒したら手を降ろしてリラックス
  3. 2.3回繰り返す

股関節ストレッチ

妊娠後期となるとお腹もだいぶ大きくなり、股関節痛が出やすい時期となります。股関節周りの筋肉をほぐしてあげると効果的です。

手順
  1. 四つん這いになり、手を肩幅に開く
  2. 頭からお尻にかけて、背中をまっすぐにする
  3. あごを引き、息を吐きながら背中と腰を丸くして十分に伸ばす
  4. 息を吸って、次に息を吐きながら顔を上げ、腰をそらす
  5. 3~4を2.3回繰り返す

ストレッチ以外の腰痛対策

妊娠後期となると妊婦さんは体を動かすことが難しく、筋肉量が減りやすくなります。

腰周りの筋肉量が減ると腰への負担が避けられません。1日5分でもよいので、歩くことを習慣づけましょう。

また、骨盤ベルトの活用もおすすめです。大きくなったお腹を支え、腰への負担を軽減させる効果があります。骨盤が安定するため、ゆがみを解消し痛みを緩和してくれます。

リラキシンは、骨盤周りの筋肉や関節を緩めるホルモンですが、妊娠初期より分泌され始めるため、妊娠初期より骨盤ベルトをつけておくと、腰痛悪化を防げるでしょう。

骨盤ベルトはさまざまなタイプがあり、素材やデザインも多彩です。装着して違和感がないものであれば問題ありませんが、決められない場合は主治医に相談するとよいでしょう。

自宅でストレッチする際の注意点

ストレッチは痛みが出てから行うと、腰痛軽減の効果が出るまでに時間がかかります。毎日1回はストレッチをして、習慣にするとよいでしょう。

また、自宅でストレッチする場合は、以下の注意点に気を付けて行いましょう。

自宅ストレッチの注意点

  • 水分補給はこまめにする
  • 妊娠中期以降は、仰向けのストレッチは避ける
  • 立ったままで行うストレッチは、転倒や事故のリスクがあるため避ける
  • お腹の張りや出血、めまい、動悸などの症状が出たらすぐに中止する
  • ストレッチの時間帯は食後は避け、寝る前や朝に行う

痛みがひどい場合は産婦人科や整骨院で診てもらいましょう

生活に支障が出るほどの痛みが生じた場合は、我慢せずに主治医へすぐに相談し、判断を仰ぎましょう。素人だと痛みの場所の判断が難しいためです。

場合によってはすぐに入院が必要となる切迫早産の兆候の可能性もあります。

腰痛の診断であった場合は、近隣の整骨院にて腰痛緩和のフォローを受けることはおすすめです。整骨院に通う場合でも、まずは主治医へ相談しましょう!

妊婦に股関節痛はつきもの!早めの対策が大切!

妊娠すると「リラキシン」というホルモンが多く分泌され、赤ちゃんを出産できるよう骨盤周りの筋肉や関節を緩めます。骨盤が開きやすくなるため、骨盤のズレが生じやすく、この「ズレ」が痛みの原因となります。

妊婦に股関節痛はつきものであり、悪化させないよう骨盤を支える「筋肉量を維持する」対策が必要です。

生活に支障がでる痛みがある場合はすぐに主治医へ相談をして、必要であれば整骨院での専門施術を受けましょう。

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